「ラストアイドル」が一気に話題になった理由

秋元康プロデュースグループの最新進化

結果的にラストアイドルと「落選組」で結成された4組のセカンドユニットで、総勢5組・25人の「ラストアイドルファミリー」が生まれた。コンテクストという観点から見れば、25人はそれぞれ25通りの「因縁」を抱えてデビューする。これはAKB48など多人数アイドルの成功体験がベースになったと思われる。

21世紀で一番売れた写真集

昨年、21世紀で一番売れたと言われる写真集が生まれた。それが乃木坂46の人気メンバー・白石麻衣さんの写真集『パスポート』で、20万部を超えていまだに売り上げを伸ばしている(発売は2017年)。そして初版が12万部でパスポートよりも多いと話題になり、現在では15万部の売り上げを突破した写真集もある。欅坂46・長濱ねるさんの写真集『ここから』だ。乃木坂46は他のメンバーの写真集も爆発的に売れて2017年には写真集ランキング上位をほぼ独占している。

いずれも秋元プロデュースのグループであることに驚くばかりだが、これは偶然ではない。白石さんや長濱さん個人のファンだけの購入で売り上げはここまで増えることは考えにくい。執筆時点で乃木坂46は卒業生を除いて45人、欅坂46は41人(ひらがなけやきと呼ばれる「けやき坂46」を含む)と、多数のメンバーが在籍している。特定のメンバーだけを「推す」ファンもいれば、複数のメンバーを応援するファンもいるだろう。

結果的に多人数のグループアイドルのメリットとして、1人が出した商品にはグループ全体のファンにも需要を喚起することで売り上げが爆発的に増える。これはAKB48の卒業生が人気メンバーだった人でもパッとしない、と言われてしまう状況の裏返しとも言える。

ラストアイドルを7人のグループで終わらせずにAKB48や乃木坂46にならってファミリーとして多人数のアイドルにすることはメリットにつながると秋元氏が考えたであろうことも自然な流れだ。

TV番組としての「ラストアイドル」はメンバーのオーディションをいったん終え、2018年からは5組のグループがそれぞれプロデューサーを迎えてセカンドシングルの表題曲をめぐって競う。

48グループも坂道グループも、グループ内でチームが分かれていたり、選抜とアンダー、正規メンバーと研究生などさまざまな区分けがなされていたりする。いずれもグループ内に小さなグループや垣根があることで競争を促進する仕組みだが、ラストアイドルファミリーも同様のスタイルをさらに進化させている。

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