日本銀行、金融政策の現状維持を決定 片岡剛士審議委員は政策維持に3回連続反対

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 12月21日、日銀は20─21日の金融政策決定会合で短期金利をマイナス0.1%、長期金利をゼロ%程度とする長短金利操作(イールドカーブ・コントロール、YCC)付き量的・質的金融緩和の現状維持を賛成多数で決めた。写真は都内で昨年9月撮影(2017年 ロイター/Toru Hanai)

[東京 21日 ロイター] - 日銀は21日の金融政策決定会合で、「長短金利操作付き量的・質的金融緩和」のもとで短期金利をマイナス0.1%、長期金利をゼロ%程度とする操作目標の維持を賛成8、反対1の賛成多数で決めた。政策維持に片岡剛士審議委員が引き続き反対した。

会合では景気の総括が判断を「緩やかに拡大している」に維持。個人消費と設備投資の判断を上方修正する一方、公共投資の判断を引き下げた。

片岡委員が政策維持に反対票を投じるのは、今年7月に就任して以降、3回連続。同委員は反対理由として「消費税増税や米国景気後退などのリスク要因を考慮すると、2018年度中に物価安定の目標を達成することが望ましい」とし、政策対応として「10年以上の国債金利を幅広く引き下げるよう、長期国債の買い入れを行うことが適当」とした。

10月の前回会合では「イールドカーブにおける、より長期の金利を引き下げる」観点から、「15年物国債金利が0.2%未満で推移するよう、長期国債の買い入れを行うことが適当」としていた。

日銀では現在、物価2%の到達は「2019年度ごろになる可能性が高い」と見込んでおり、片岡委員の主張は達成時期の前倒しの必要性を訴えたものといえる。

また、前回会合と同様に「オーバーシュート型コミットメント」の強化も主張。決定会合後に公表する声明文に「国内要因により、物価安定の目標の達成時期が後ずれする場合には、追加緩和手段を講じることが適当」と記述することを求めた。

景気認識について総括判断を維持する一方、個人消費と設備投資の判断を引き上げた。個人消費は「振れを伴いながらも、緩やかに増加している」、設備投資は「増加傾向を続けている」とした。前回会合では、それぞれ「底堅さを増している」「緩やかな増加基調にある」としていた。

一方、公共投資は「高めの水準を維持しつつ、横ばい圏内で推移している」とし、前回会合の「増加している」との判断を引き下げた。

物価については、足元で生鮮食品を除いたベースの消費者物価の前年比上昇率がゼロ%台後半で推移しているものの、先行き「2%に向けて上昇率を高めていく」との見通しを維持。予想物価上昇率は「弱含みの局面が続いている」との判断を据え置いた。

金融政策運営は、2%の物価安定目標の実現を目指して「これが安定的に持続するために必要な時点まで、長短金利操作付き量的・質的金融緩和を継続する」。経済・物価・金融情勢を踏まえて「物価安定目標に向けたモメンタムを維持するため、必要な政策の調整を行う」考えだ。

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