「北朝鮮の真の標的はハワイ」という人の理屈

世界滅亡に備える人たちが恐れる事態とは?

北朝鮮の保有する兵器の性能が攻撃可能な場所で、最もアメリカ人がショックを受けるインパクトのある場所という意味では、ハワイがいちばんふさわしいとなるのだ。

ハワイには太平洋艦隊司令本部がある。そして、2001年の同時多発テロの標的となったニューヨークと並び、海外から攻撃された数少ない場所でもある。アメリカの威厳の象徴であり、過去にシンボリックな歴史がある場所であるハワイ。「パールハーバーを再び攻撃」――。スティーブさん曰(いわ)く、北朝鮮にとってはこれほど分かりやすい攻撃対象はないのだ。

誰しも被害に遭うまでは他人事

スティーブさんは今年6月、ハワイとワシントンD.C.を訪ねていた。首都に行った理由は、軍事関係者と会うためだ。従軍時代の友人や、軍事関係企業に勤める仲間などとミーティングを重ねた結果、かなり詳細な避難計画を立てて、彼はその足でハワイに飛んだ。

ハワイには数人プレッパー仲間がいるが、スティーブさんは彼らとともにハワイ中を回り、各自治体に有事の危険性を訴えて、核攻撃があった場合の対応策などを説いてまわったという。それが関係しているのか否かは定かではないが、ハワイ州政府は7月末に、北朝鮮からの核ミサイル攻撃に備えた警報発令システムの試験を今年11月から始めることを決定している。

全米で行政が「北朝鮮」という名前を使って、こうした試験に踏み切るのは初めてだ。ハワイでは核攻撃が発生した場合、建物の中で2週間留まるか、安全と通知されるまでは外には出ないようにと指示されているが、スティーブさんは「それだけでは十分ではない」と警告する。「これは生きるか死ぬかの問題だ。完全に生きのびたいのなら、今すぐ島を捨てることだ。それしかない」。

この話を受けて、ハワイ在住者たちに「ミサイル対策について、ハワイではどう伝えられているか」と聞いてみた。しかし、市民レベルでは危機感はまるでなく、警報発令システムの試験のことを聞いても、知る人はあまりいなかった。しかし、ハワイの政府関係者に話を聞くと、反応は違った。パールハーバーのあるヒッカム空軍基地内で、政府文官として働くマシューさんはこう言う。

「戦争やテロ被害は、被害に遭うまでは他人事なんだよ。ハワイで北朝鮮の攻撃を心配しているような人は少ないし、街にいても危機感は感じられない。けれど僕はちゃんと準備をしているよ。水も食料は当然備蓄しているし、家族全員分のパスポートと貴重品は、1つのバッグに入れてすぐに持って逃げられるようにしてある。子どもたちのバックパックの中にも、緊急事態に備えた最低限のサバイバルキットも入れてあるよ」

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