「定年後に家を買う」は意外と賢明な選択肢だ 持ち家派vs賃貸派論争には第3の道がある
中には、退職金を使えばいい、という人もいます。しかし、これはNGです。退職金を住宅購入費用に回せば、その分老後の余裕資金が消滅してしまうからです。
生涯コストを比較!どれがいちばんお得?
「現役時代賃貸派→定年時に家を買う」というモデルはまだリアリティがないのか、以上のような説明をしてもマジメには取り合えってもらえないのが現実です。そこで、①生涯持ち家、②賃貸→定年後持ち家、③生涯賃貸のそれぞれの生涯コストを、比較シュミレーションをしてみましょう。
正直なところ、シミュレーションは条件設定をいじればどのようにでも結果を変化させられるので、あまり好まない手法なのですが、「結果はいかにでも変わる」という意味を込めてお示しします。
・現役時代30年、老後は35年と仮定
・不動産取得時の諸費用は含まず
・新築物件4000万円
・固定金利30年ローン 年1.2%固定
・固定資産税年10万円
・定年時点でリフォーム 予算700万円
→生涯コスト 6150万円
・①のローン返済額より安い物件を賃貸(月10万円)
・6年に一度住み替えるとして、都度家賃4カ月分
・住み替えない場合は2年に一度更新料1カ月分
・定年時点で2000万円の物件を一括購入
・老後は固定資産税年7万円
→生涯コスト 6145万円
・①のローン返済額とほぼ同額の物件に賃貸(13万円)
・6年に一度住み替えるとして、都度家賃4カ月分
・住み替えない場合は2年に一度更新料1カ月分
→生涯コスト 1億699万円
以上を見てみると、持ち家派と定年時に家を買う賃貸派の生涯コストは、ほぼ大差の無い結果となりました。どちらがお得かは、物件価格やローン金利水準に左右されるので何ともいえません。一方、生涯賃貸派の場合は両者を4500万円以上回る結果に。これをカバーするには、定年後に激安物件への引っ越しが必要となります。
一見非現実的に見える、定年時のマイホーム購入ですが、こうして比較してみると、選択肢の1つとして十分に検討に値するのではないでしょうか。
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