43歳男性「子供が欲しい」で始めた婚活の結末 「婚活よりも妊活のほうがずっと辛く苦しい」

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富雄は、私の相談所で10カ月ほど活動をし、20回くらいお見合いをした。その中で、現在の妻の香苗のほかに、もう一人、結婚に向けて真剣交際に入った女性がいた。岩田真里、当時40歳、富雄よりも3歳年下の女性だった。

5度目のデートを終えたころ、富雄から連絡がきた。

「今回の真里さんは、食の好みも合うし、話していて気を使わずに自然体でいられるんです。真剣交際に入って、このまま結婚に向かえたらいいなと思っています」

声が弾んでいた。さらに、こう続けた。

「前回のデートのときに、真里さんがお母さんの話をしてくださったんです。お母さんが、“あなたもいい歳なんだから、横山さんに振られたら、もう次のお相手は出てこないと思ったほうがいいわよ”とおっしゃってくださったそうです」

真里の母親が、2人の交際を全面的に応援してくれているようだった。

またその後のデートでは、こんな報告もあった。

「今日、私が車を出して鎌倉方面にドライブに行ったんですが、帰りに真里さんを家までお送りしたら、『富雄さん、リンゴを持っていきませんか?』と。お母さんのご実家から、リンゴがたくさん届いたそうで、真里さんのお母さんが、『今日、富雄さんに持っていったら?』とおっしゃってくださったみたいなんです。『喜んでいただきます』と言って、車内で待っていたら、真里さんと一緒にお母さんがリンゴを持って出てきてくださったんです」

真里の母とは、このときが初対面。驚いて車を降りたという。すると、真里の母は、リンゴを手渡しながら、富雄に言った。

「娘のことをこれからもよろしくお願いします。この年まで一人でいて、もう結婚できないかと思っていたら、富雄さんみたいなすてきな男性に巡り合えて本当によかった」

私は、その話を聞いて富雄に言った。「お母さん公認なら、もう結婚が決まるのも時間の問題ね」

順調に見えた交際で、突然の「交際終了」

ところが、その1カ月後に、真里の相談所から「交際終了」の連絡が来た。

結婚するものだとばかり思っていたので、私はびっくりして、富雄にすぐにメールを入れた。

「真里さんから、交際終了が来たけれど、何があったの? あんなに仲良くやっていたのに」

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