「フランスの超天才」が見通す2030年の産業 ジャック・アタリ氏「共有経済は今の30倍に」
ロボット工学の威力を利用して創造力を発揮する芸術も登場する。たとえば、セルビアの芸術家ドラガン・イリッチは、巨大なロボットアームに支えられて、自分自身が筆になってカンバスの上を移動するパフォーマンスを演じた。
市場経済では利他主義が合理的になる
2016年から2030年にかけて、共有経済の5つの主要分野(金融、求人情報のオンライン提供、宿泊、自動車の共有、音楽や動画のストリーミング)の市場規模は30倍になる。
大手コンサルティング会社のプライスウォーターハウスクーパースによると、そのなかでも、金融と求人情報のオンライン提供は、最も成長が期待されるという。今後、年平均成長率は、前者が63%、後者が37%と見込まれている。
このようにして需要の最も大きな分野の市場において、共有と利他主義が同盟関係を結ぶ。
今から2030年までに、分子あるいは原子レベルの新たな物質分離プロセスにより、物質の純度と本来の特性が維持できるようになる。
たとえば、オルレアン大学の研究チームは、温度が摂氏500℃で圧力が250気圧の「超臨界」状態の水を利用する。この臨界状態の水は酸化力、すなわち腐食力が極めて高い。あらゆる有機物は、この水に触れると破壊されて気体に変わる。この分解処理プロセスを用いれば、プリント基板上の重合体を処理できる。つまり、レアメタルを容易に回収できるのだ。
ゴミはリサイクル推進のためにこれまで以上に利用される。したがって、一次産品の生産量は減少する。
リサイクルも将来世代に資する活動であるため、市場経済では利他主義が合理的になるのだ。
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