「フランスの超天才」が見通す2030年の産業 ジャック・アタリ氏「共有経済は今の30倍に」
近い将来、航空機はハイブリッド型エンジンを搭載するようになる。離陸時に電気を利用するのだ。
ノースロップ・グラマン社は2つの胴体をもつ航空機を設計した。これが実用化されると、輸送力は飛躍的に高まる。
エアバス社はハイブリッド型エンジンを搭載する100席くらいの旅客機の開発を目指すと同時に、交換部品を3Dプリンターで設計することを計画している。
地上からのリモコン操作で飛行する、パイロットなしの航空機が登場する。航空機の素材、構造、操縦は、新たなテクノロジーによって一変するため、推進システムはほぼ完全に機体に組み込まれる。つまり、機体の構造は一新されるのだ。
スポーツ観戦も仮想現実化する
娯楽産業は仮想現実によって一変する。観客は、見る位置を変える、ズームインやズームアウト、さらにはカメラアングルから外に飛び出す、映画の場面をつくり変える、そしてストーリーを操作するようになる。
娯楽業界では、ビデオゲームの対戦や配信がますます盛んになる。娯楽はさらにパーソナライズされ、独創的になる。
スポーツ観戦も同様だ。スポーツ観戦も新たなテクノロジーの影響を受け、部分的に仮想現実化する。
テクノロジーは芸術にも新たな独創力の源を提供する。3Dプリンターによる仮想現実は、創造するための当たり前の道具になる。観客は作品の創造者であり、出演者になる。バレエ、オペラ、コンサートの区別がなくなる。
今から2030年までに、観客は作品と実際に対話できるようになる。すでに「リープモーション」を利用すれば、音と手のさまざまな動きを結び付けることができ、誰もが音楽家や振付師になれる。
テタ・ファントムという情報技術を用いれば、芸術家の脳波を介して音や視覚的要素を生み出すことができる。
ダリ美術館の入館者は、スペインの画家ダリの超現実主義の世界を仮想体験できる。
ジョイア・ストゥディオでは、ジョルジュ・デ・キリコの作品群の中に入り込める。
バンクシー、ネックフェイス、インベーダーなどの作品のように、現実を誇張したストリートアートが発展する。
テート・モダン(ロンドンにある近現代美術館)では、人工知能が芸術作品と現在の出来事を結び付けてくれる。
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