ミスチル×ドコモ「映画並み」CM感動のヒミツ 7月後期の「CM好感度ランキング」一挙公開!

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4位にも『NTT DOCOMO』がランクイン。Mr.Children(以下、ミスチル)とコラボした25周年記念ムービーが大きな話題を呼んでいる。

ドコモ「携帯と人生の25年描く」CMに涙が止まらない

始まりは、25年前の夏。ミスチルのデビューシングル「♪君がいた夏」が流れ出し、ポケベルを手にした制服姿の高校生男女が渋谷のスクランブル交差点で待ち合わせをする。やがて恋人同士として同じ時を過ごした二人は、ふとした心のすれ違いから別れの危機が訪れた。

空白の2年半後、偶然聴いた「♪花-Mémento-Mori-」の歌が二人を再びつないだ。愛を誓い、人生を共に歩むことになる二人を祝福するように「♪365日」の歌が切なく響く。

やがて娘が生まれ、その成長を見守りながら時は過ぎていく。娘の17歳の誕生日の日、父は自分を拒絶する反抗期の娘に、今まで使っていた歴代の携帯電話に詰まった娘の成長の記録を「誕生日おめでとう!!」のメッセージとともにアプリで送る。「♪365日の言葉を持たぬラブレター」の歌詞と、父の深い愛情に涙があふれる娘の映像が重なり合う。

そして、再び人々が行き交う2017年の渋谷の交差点の場面。25年前に両親がしたように、待ち合わせをする制服姿の娘の手にはスマホが握られている。ここで流れる曲は、まだ歌詞のついていない“デモ音源”。なぜ、“デモ音源”なのか?「未完成曲の、しかもデモ音源をあえて使用したのには、この25周年で何かが完成するわけではなく、未来に向かって勇気を持って進化し続けていきたい」というメッセージなのだという(ドコモプロモーション部の小野浩司氏)。

映像には、当時使われていたポケベルからガラケー、スマホまでさまざまな形の携帯電話が数多く登場した。また、主人公たちの当時流行のファッション、メークや髪型はもちろん、背景や部屋のインテリアなど細部に至るまで「時代の空気」を忠実に再現しているところも見所のひとつ。こうしたこだわりも一役買って、視聴後はまるで長編映画を観たかのようなずっしりとした感動が押し寄せてくる。

CMを好きだと答えたモニターからは、「感動して泣いちゃいそうでした」「ミスチルの曲がグッとくる。自分の若かった頃を思い出した」「自分の人生とドコモの歴史が重なって感動的なCM」と異口同音に感動を口にした。また「人生って繰り返しなんだなと思う」としみじみと共感されている。

主人公の父親は高橋一生、母親は黒木華、娘は清原果耶が演じている。出演者たちの自然な演技も映像の世界観を創るのに欠かせない。120秒CMとWebの本編では、清原自身の赤ちゃんのときや幼い頃の写真、プライベートな動画が挿入され、娘の視点からのモノローグがより一層リアル感を高めている。

このCMを手掛けた株式会社catchの福部明浩氏は、「思い出とのリンクは深いクリエーションになる」と語る。実際、SNSなどには視聴者からの「最高」「感動した」「泣ける」などの感想がSNS等にあふれ、動画の視聴回数は予告編と本編を合わせて260万再生を超えた(8月14日現在)。

実は、ドコモとミスチルのデビューは共に25年前にさかのぼる。ドコモの小野氏は「25年前、ケータイでメールやネット検索するようになるとは、想像すらできなかった。今では、こうしたことが当たり前になった。これからの25年も当たり前でなかったことが当たり前になることを目指して前に進んでいきたい」と、企業の思いを込めた企画意図を語る。

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