「トミーカイラZZ」EV版を作った男の真実 ゼロからの無謀な挑戦を成し遂げた
「新しくてワクワクできる」ものづくりの現場から
――EV(電気自動車)版、「トミーカイラZZ」が話題となっています。
藤墳裕次氏(以下、藤墳氏):私が技術本部長を務めるGLMは、もともと京都大学のVBL(ベンチャ―ビジネスラボラトリー)の「京都電気自動車プロジェクト」を母体として出発したベンチャ―企業です。今年(2017年)で設立から7年の新興EVメーカーですが、スポーツカータイプのEV「トミーカイラZZ」や、日本初の量産EVスーパーカー「GLM G4」の開発を手がけています。
当初は、既存のガソリン車をEV仕様に改造する“コンバージョンEV”の開発を主軸にしていて、“和製テスラ”と内外から評価を受けたこともありました。けれども、私たちの考えるEVはテスラ社とは別の理念でつくられたもので、無謀と言われながらも、自社でゼロからEVを開発し、量産化に成功しています。
――その“無謀”な挑戦には、多くのユニークな開発陣が集まっています。
藤墳氏:GLMには、夢のような「スポーツEVへの挑戦」に惹かれて、国内大手自動車メーカーやサプライヤー出身の技術者が集まっています。私自身も、日産、川崎重工、トヨタとさまざまな開発現場で車やバイクの設計に携わった後に、その夢に惹かれてここに集まってきた一人です。
私のエンジニアとしてのものづくり、特に現場に固執する姿勢は、時に妻からも「ビョーキ」と飽きれられるほどですが(笑)、とにかく、「何か新しいワクワクできるもの」に直接携わりたいと思い続けた結果、GLMに辿り着きました。その過程は思い返しても失敗だらけで、今も失敗しては学んでいく、その繰り返しです。