これが反対に、周りの意見などまったく気にならないという性格であり、なおかつそういった生き方を主体的に選択されているのであれば、その限りではありません。
ちなみに私自身は『99.9%の人間関係はいらない』(中央公論新社)という本を出しているとおり、周囲はまったくと言っていいほど気にしていないタイプですから、周囲の視線いかんにかかわらず、つねに自分を貫くことを是としています。
反対に、Mさんのような性格の人は周囲といかに円滑な人間関係を築くかを考えるべきです。少なくとも、周囲から見て「異なる存在」であると見られてしまうことを避けるべきでしょう。
人によって態度を変える人は「最悪」
「大目に見てもらえていた部分」がどういった性質のものであるかはいただいた文章からはわかりませんが、一般的に考えて組織において最悪なのは人によって態度を変える人です。
文章を拝見するに、Mさんはご自身が気づかれているか否かは別としても、相手を「自分にとっての損得」で分類してしまっており、コミュニケーションの仕方を変えてしまっているのではないでしょうか。
つまり、現在の部長さん以上は「自分を守ってくれる」「自分のしたことの責任をとってくれる」、自分にとってプラスになる存在であるから、人間関係を大切にする。
また、将来そういった「部長クラスになる可能性のある人」と仲良くすることを考える、といった具合ですね。
「同じ部署だけどラインが異なる人」と書かれていますが、まさにそのように自分にとって得にならない人とは仲良くしなくていい、という態度が象徴的なのかと思われます。
おそらくですが、そういった思考がMさんの人間関係における付き合いやコミュニケーションの前提にあるがゆえに、相手にもそれは伝わっていると思われます。
つまり「自分はMさんにとって価値がないと思われており、見下されている」と周囲の部長クラス以外の人たちが感じている可能性が高いということです。もっと言うと、部長クラスだけに媚びる人、と見られている可能性も高いです。
人間関係もコミュニケーションもそうですが、決して一方通行ではありません。相手のMさんに対する態度は、Mさんの相手に対する態度そのものなのです。自分に対して好意を持って接してくれる相手には、自分も好意を持って接したいと思う可能性は高いですよね。反対に、自分に敵意を持って接してくる相手を自分が好きになれる可能性は低いのです。人間関係もコミュニケーションも、双方向であり、共同で作り上げるものです。
したがって、周囲の視線が気になり、周囲の態度が気になるのであれば、まずはMさんが周囲に対する態度を改めないといけません。Mさんが何も変わらずに相手だけが変わることはありません。
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