家計分担が「不公平」な共働き夫婦の打開策 けんかを辞さず不満のある側が交渉せよ!

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「貯蓄ノルマ」は明確に設定しておいたほうがよいでしょう。生活費の場合は、なんとなくのシェアでも何とかなってしまいますが、貯蓄はなんとなくではいきません。共働き夫婦家計のありがちな問題として、「相手が貯めていると思ったら全然貯めていなかった」というトラブルがあります。夫婦間で年収の○%くらいは貯める、とルールをシェアしておくといいでしょう(毎月貯めるかボーナスで貯めるかは本人が決めてもいい)。

ちなみに、この貯蓄ノルマをうまく分担できれば、生活費を「夫から妻に毎月○万円渡す」というやり取りをしなくても済みます(その分、妻の貯金ノルマを減らし、夫の貯金ノルマを増やす)。

2つの財布を維持したうえで負担のシェアルールが納得のいくものになれば、残りの部分はそれぞれの「おこづかい」になります。そのときポイントとなるのは、年収の差がそのままおこづかいの差にならないように意識したシェアルールを構築することです。

繰り返しますが、「夫は自由に使えるおこづかいが4万円あるのに、私は1万円もない」なんていうのは共働きの条件としてはアンフェアです(夫のほうが年収が高いことが、その分夫がおこづかいを多くしていい理由にはなりません)。

不満を抱いている側がアクションを起こすしかない

では、家計負担の交渉はどうやって持ちかければいいのでしょう。それは、不利な負担をしているほうからアクションを起こすしかありません。なんとなく家計負担のシェアをしてきた場合、経済的に有利な立場のほうは、他方に納得のいかないシェアルールになっていても気がつかない(あるいは直視しない)ことが多く、こちらから改善の提案がなされることはありません。自分が不利になる可能性があるのだから、当然といえば当然です。

となれば、この問題は不満を持っている立場のほうから交渉を持ちかけるほかありません。要するに、多くの場合は女性が口火を切るしかないのです。

相手の負担を増やすような話をすることになる以上、夫も素直に応じないかもしれません。けんかになる可能性もあるでしょうから、持ちかけるほうもちょっと面倒です。しかし先送りすればストレスがたまるばかりです。

オススメとしては、何か不満がたまっているときに一緒に怒りを爆発させて、一気に交渉に持ち込むことです。「2つの財布で1つの家計」が効率的に分担されるようになりますように。

山崎 俊輔 フィナンシャル・ウィズダム 代表 ファイナンシャルプランナー

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やまさき・しゅんすけ / Syunsuke Yamasaki

1972年生まれ。中央大学法学部卒業。企業年金研究所やFP総研を経て2001年独立。全国紙などで連載。著書に『普通の会社員でもできる日本版FIRE超入門』など。

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