米マイクロソフトのバルマーCEO、退任へ アップルやグーグルに主導権を奪われ、決断か
[ニューヨーク 23日 ロイター] - 米マイクロソフト
発表を受け、マイクロソフト株は一時前日終値比9%近く上昇した。
マイクロソフト取締役会は後任選定作業に向け、ジョン・トンプソン取締役を委員長とする特別委員会を設置。共同創業者のビル・ゲイツ会長も参加する。
バルマー氏は57歳。2000年1月にゲイツ会長からバトンを引き継いでCEOに就任した。
ただ就任後のマイクロソフトの株価は低迷。消費者の指向がモバイル・コンピューティングに向かうなか、アップル
バルマーCEOはこうしたなか、前月にデバイスとサービス部門に注力する抜本的なリストラ策を打ち出したばかり。
同CEOは声明で「当初からデバイス・サービス企業へのマイクロソフトの変革過程の中ほどでの退任を考えていた。われわれには、この新たな方向に導くためにより長い期間務める新たなCEOが必要だ」との考えを示した。
また社員宛てのメモでは、「こうした種類の移行に完璧なタイミングというものはないが、今が正しい時期だと考えている。心情的に難しいことだが、私が愛するマイクロソフトのために最善になるとの考えからこうした道を選んだ」との心情を吐露した。
マイクロソフトは、後任のCEOは社内外の双方から選ぶとしている。
マイクソロフトをめぐっては、物言う株主グループとして知られるバリューアクト・キャピタル・マネジメントが最近、少数株式を取得。バリューアクトは株式取得後、戦略の変更と明確な後継CEO選定計画の提示を求めていた。
創業38年のマイクロソフトはのCEOはこれまでにゲイツ氏とバルマー氏の2人のみ。バルマー氏のCEO就任後、後継者と目される人物は退社したかバルマー氏に排除されるかしたため、現在は社内に目立った後継候補は見当たらないとされる。
バルマーCEOに対する批判は出ていたものの、退任表明はアナリストの間で驚きをもって受け止められた。
マクアダムズ・ライト・ラーゲンのアナリスト、シド・パラク氏は「特にこのほど発表されたデバイス・サービス部門に注力する戦略を踏まえると、意外感があった」と語った。
ZKリサーチのアナリスト、ゼウス・ケラバラ氏は、「バルマー氏が2000年に就任してから、モバイル・コンピューティング、タブレット端末、クラウド・コンピューティングなど数々の分野での移行に乗り遅れたと言わざるを得ない」と指摘。
そのうえで、バルマーCEOの経営手腕が成功したとは言い難いとし、「マイクロソフトは従来型のパソコン(PC)コンピューティングに引き続き依存しており、バルマー氏の強みはこのPCコンピューティングにあった。同氏はPCコンピューティングの時代には力を発揮できるが、今は時代は変わり、新たなリーダーが必要となっている」との見方を示した。
バルマーCEO就任後、マイクロソフトの売上高は約倍増している。ただ株価は低迷し、過去10年間はほぼ横ばいで推移。1999年末に付けた過去最高値の59.97ドル近辺まで戻すことはなかった。
この日の米株式市場午後序盤の取引で、同社株は前日終値比5.8%高の34.27ドル近辺で推移している。
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