外国人が心底うらやむ「最強観光資源」とは? 日本は「最も稼げる武器」が宝の持ち腐れに
これまでほとんど整備していなかった国が整備を始めれば、それだけで劇的に改善するのは当然です。客観的に見れば、日本は「観光の産業化」という世界の流れに乗り遅れた分を取り返しているだけと言えるでしょう。
それは、周囲を見ても明らかです。観光産業の競争力が改善したトップ15カ国のなかで日本は見事第1位に輝いていますが、第2位はアゼルバイジャン、第3位はタジキスタン、第4位がベトナムとなっています。第9位の韓国までは正直、「観光」というイメージが確立していない国ばかりです。
これは裏を返せば、観光においては、日本は成長著しい「新興国」というポジションだったということです。あらゆる分野で成長が停滞しているこの国で、「観光」が経済成長を牽引していく切り札になることがよくわかっていただけるでしょう。
観光ランキングからわかる日本の強みと弱み
では、第1位になるほど高く評価された日本の「改善点」とはなんでしょうか。
ビザの緩和や国の観光整備に対する予算が増えたことなどを反映して、「国際開放度」が121ランク上がって第10位になりました。政府による「観光に対する優先度」も、32ランク上がって第18位になっています。つまり、この2年で、国として観光戦略に対して非常に積極的になったことが大きな「改善点」として評価されているのです。
そう聞くと、「これだけ高い評価を得ているのなら今のままで十分ではないか」と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、これは今までほとんど手をつけていなかったというだけです。同じデータからは、多くの課題も浮かび上がっています。
たとえば、特に一部の地方の観光地にはレンタカーが欠かせませんが、その普及率は世界第85位です。アメリカなどを旅行した際、レンタカーを借りて自由にいろいろなところを観光したという人も多いでしょう。外国人が北海道のような広大な大地を観光する際も同様で、外国人向けのレンタカーが普及していたほうが、より多くの外国人観光客を招くことができるのは言うまでもありません。
日本国内にいるとなかなかそう感じないでしょうが、日本の航空インフラも観光産業的に見ると足りておらず、世界第97位。
観光インフラの整備に関しても、これまで力を注いでこなかった名残で世界第29位となっています。決して「今のままで十分」と構えていられるような立場ではないということがわかっていただけたのではないでしょうか。
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