iPhoneで動かす「カーズ」のおもちゃが秀逸だ 「ライトニング・マックィーン」がしゃべる!

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そんなボルダーで2010年に創業したスフィロは、「コネクテッド・トイ」という分野に注目して順調に成長を重ね、スマートフォンから操作することができるおもちゃを製品化してきた企業だ。

スフィロの共同創業者でチーフサイエンティストを務めるアダム・ウィルソン氏(筆者撮影)

スフィロが6月に発売した新製品は、「アルティメット・ライトニング・マックィーン」。その名のとおり、カーズの主人公のデジタルトイだ。この製品について、スフィロの共同創業者でチーフサイエンティストを務めるアダム・ウィルソン氏に話を聞いた。

「当社はディスニーから出資を受け、スターウォーズのBB-8で成功を収めた後、多くの可能性が開けてきました。その中で次なる製品化を試みたのが、カーズのライトニング・マックィーンでした。

そこでピクサーとの協業が始まり、17カ月にわたって、40人のエンジニアやアーティスト、ソフトウエア開発者が携わり、アニメのキャラを現実世界で実現するべく奮闘してきました」

目の前に置かれたライトニング・マックィーンは、何も操作をしなくても、ウインドスクリーンの目が動き、前輪はアニメーションのように生き生きとしぐさをする。そして極め付きは口。フロントバンパーの部分は柔らかい素材になっており、ちゃんと口が動くのだ。

「ボディには5つのタッチセンサーが備わっており、触れると反応する仕組みになっています。また前輪部分には5つのモーターがあり、左右独立した駆動によって、アニメのような生き生きとした動きを再現しました。そして目の部分は専用の有機ELディスプレーを用いています」

ウィルソン氏はノースコロラド大学で数学と物理学を修め、NASAとのプロジェクトにも参画する根っからの科学者だ。そんな同氏がロボティックスとソフトウエアエンジニアリング、そしてピクサーとのコラボレーションを通じて、「本気でアニメキャラのロボットを作った」結果が、このライトニング・マックィーンなのだ。

口の動きに合わせてマックィーンのセリフが内蔵

筆者もさまざまなアニメ由来のおもちゃを見てきたが、ここまで「動き」やしぐさにこだわった製品は初めてだ。しかも、口の動きに合わせて、英語や日本語などのマックィーンのセリフが内蔵されており、非常にクリアで大きな声でしゃべる。放置しておいたら「寝る」と言い出すし、ひっくり返すと文句を言ったり「助けて!」と叫ぶ。

置いておくだけでも非常に楽しい製品だ。しかし、これがちゃんときびきび走るのだ。

iPhoneアプリをコントローラーモードにすると、十字コントローラーが画面に現れ、操作した方向に走る。通常のリモコンと異なり、マックィーンにもジャイロセンサーが入っているため、カーソルを動かした方向につねに動くのは、普通のラジコンカーと異なる点だ。

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