コニカミノルタ、「がん診断」で本気の買収 がん診断や治療の精度が飛躍的に高まる?

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コニカミノルタの山名昌衛社長(左)と産業革新機構の勝又幹英社長(右)。産業革新機構の投資においては「社会的なインパクト」も重視される。今回は久々の前向きな出資となった(撮影:尾形文繁)

最先端企業の買収は、日本のがん治療を変貌させることになるのか。

コニカミノルタは7月6日、北米で遺伝子診断事業を行う米アンブリー・ジェネティクス(AG社)を買収すると発表した。

米販売子会社が6割、官民ファンドの産業革新機構が4割を出資し、創業者などの既存株主から全株式を買い取る。手続きが完了するのは10月の予定だ。買収費用は約900億円で、AG社の今後の業績に応じて最大約200億円が追加される。AG社の経営陣は基本的に残留となる。

買収によって、がん診断の精度を高める

AG社の2016年6月期の決算は売上高約320億円、営業利益約150億円。コニカミノルタの山名昌衛社長は「米国のビジネスモデルを持ち込み、日本で事業を立ち上げる」と意気込む。産業革新機構の勝又幹英社長も「私どもの投資が呼び水となって、遺伝子検査事業を国内でも展開する動きを加速させたい」と語った。

アンブリー・ジェネティクスは遺伝子診断事業において米国でもトップクラスの企業だという(写真:コニカミノルタ)

AG社は世界トップクラスの遺伝子診断技術を持ち、特にがん診断に用いられている。データベースの解析力に強みがあり、最新鋭の研究所も抱える。

買収の目的は、がん診断の精度を高めることだ。

コニカミノルタはかつてフィルムで培った化学技術を基に、がん細胞に発現するタンパク質を正確に検出する技術(HSTT)を擁する。これまでは国内製薬会社向けに限ってHSTTの事業を展開していた。これに「AG社の遺伝子診断技術を加え(投薬や診断などの)精度を高める」(ヘルスケア事業担当の藤井清孝常務)。

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