インターママが学校に注ぎ込む「投資」の実態 ナゾのパーティ「ガラパーティー」とは何か
扉の向こう側から現れた美沙さんは、誰が見てもわかる“ブランド志向”の女性だったからだ。
ハワイにでも行っていたのだろうか。白いノースリーブトップスから覗く、こんがりと焼けた肌。左手薬指には、ハリーウィンストンのハートシェイプダイヤが輝く。
黒のクロップドパンツに、マノロブラニクのビジュー付きパンプス、そして手元には当然のようにバーキンを携えている。
「すみません、今日はあまり時間がなくて…」
申し訳ない、という表情は露ほども見せずにそう言って、美沙さんは我々を扉の向こう側にあるカフェテラスへと誘った。
「今夜は、息子の学校でガラパーティーがあるんです」
カジノにオークション?!ガラパーティーの実態とは?
――ガラパーティー…?
ホテルのラウンジにも引けを取らない、開放感あるカフェエリア。英語表記しかないメニュー表を一瞥し、取材班は無難にアイスラテをオーダーした。
そして、「ガラパーティー」という、聞き慣れぬ単語について尋ねてみる。
取材班の解せぬ表情から、無知を理解したのだろう。美沙さんは丁寧に説明してくれた。
「ガラパーティーというのは、インターで年に1度開催されるチャリティイベントです。父母会が主催していて、平たく言うと寄付金集めの会ですね」
インターは、ほとんどの学校が文部科学省の認定を受けていない。したがって学校運営資金はもちろん、グラウンドの新設、施設のリニューアルなどにかかる費用を、寄付金に頼らざるを得ない。
そのため父母会が非常に活発であり、チャリティバザーや文化祭をはじめ、年間を通して様々な寄付金集めイベントが開催される。
美沙さんの子どもが通うインターでは、その総額は年間1700万円にものぼるのだとか…。
そしてもっとも規模が大きく、莫大な寄付金が集まるのが、美沙さんが今夜参加する予定だというガラパーティー。
「ドレスコードもある、とても華やかなパーティーなんです。今年のテーマは“マンハッタン・ナイト”。今夜のために、ドレスもシューズも新調したわ」