ロールス・ロイスの真価問う14億円の高級車 顧客の要望に応じて1台を手作り
先だって日本市場限定10台の完売が発表されたフェラーリ「J50」の価格は4億円に届く程であったし、フェラーリ「458MMスペチアーレ」と称すワンオフ・モデルは軽く6億円は超えていると言われる。これをスウェプテイルの14億円と比較すると、こんな高額モデルでも安いと思ってしまうところが怖い。
ただ、ほんの少し前までそんな高価なクルマが売られるなどとは考えられなかった。2002年に鳴り物入りでデビューしたフェラーリ・エンツォはいくらだったかというと、1億円にも達しない7000万円台だった。
高価なクルマが登場する理由
近年このような高価なクルマがどんどん登場するのはなぜだろうか。クルマの構造的な面から言えば、1つには少量生産のクルマが作りやすい技術革新が挙げられる。カーボンファイバーやアルミ製スペースフレームなどの新しい技術によって、大規模なプレスマシンを使わない小ロット生産が可能となったし、再びボディとシャーシが分離でき、ボディをモディファイしやすい構造のクルマも生まれた。
このスウェプテイルもファントム・クーペがスペースフレーム構造であるから、それをベースにして自由なデザインのボディ懸架が可能になったといえる。さらにCADデータの活用や、切削マシーンの高性能化、3Dプリンターの実用化などにより1個のパーツからでも製作が可能になったことも挙げられる。
顧客の心理面から言えば、2012年あたりから大きな盛り上がりを見せているクラシックカーブームの影響も大きいであろう。2014年にフェラーリ250GTOの記録した56億円余りというオークションの落札金額はいまだ破られないが、この数字が自動車の価値に対する感覚を変えたことは間違いない。
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