JR中央線快速、こうすれば混雑を解消できる 京葉線を東京から三鷹へ延伸する案も
新たに12両編成の運転となる区間は、東京―大月間と立川―青梅間で、「スーパーあずさ」が停車していない駅では、快速ホームが延伸されることになる。
グリーン車は混雑率の計算に含まれないが、普通車からの利用の転移が見込まれるので、その分混雑率は低下する。しかし、将来的な混雑率の目標である150%まで下げるには、これだけでは充分ではない。
そこで、三鷹から御茶ノ水までの複々線区間の緩行線や、中野から緩行線に乗り入れる地下鉄東西線の輸送力を活用することも検討する必要があるだろう。たとえば、三鷹で折り返している緩行線の電車を最混雑1時間に4本程度武蔵小金井まで延伸。その代わりに武蔵小金井始発の快速2本を三鷹始発として緩行線に旅客を誘導することも一策であろう。
なお、三鷹駅の緩行線のホームは1・2番線の2線しかなく、上下線とも武蔵小金井まで直通すると折り返しに使えるホームがなくなってしまうので、この施策は、朝の最混雑時の上りに限定される。なお夜間の下りについては、総武線各駅停車は主として御茶ノ水で折り返し運転を行っていて、三鷹駅での折り返しは少ないので、現在でも、総武線の電車が立川まで直通運転をしている。
並行する私鉄路線で代替できるか
しかし、緩行電車の一部武蔵小金井延伸でも、混雑率は180%に改善する程度である。
中央線には並行して西武新宿線・拝島線、京王電鉄京王線が走っている。西武新宿線の新宿側では1時間に26本を運転しており、下落合→高田馬場間の混雑率が156%で、現状では中央線の旅客を誘導する余裕はない。ただ、西武新宿駅の一部のホームが8両編成対応のため、現在は、平均編成両数は9.2両である。全部を10両編成にするという、輸送力を増強する余地はわずかながらある。
京王線は、最混雑時1時間に10両編成27本を運転しているが、特急から普通まで多種の列車を運転しているほか、井の頭線との乗り換え駅である明大前での停車時間が長くなる傾向があるため、定時運転も難しいのが現状である。混雑率も、下高井戸→明大前で165%と、今後混雑緩和を進めなければならない線区である。現在、笹塚‐仙川間の高架化の計画が進められているが、これが完成すると明大前駅と千歳烏山駅は現行の相対式ホーム2線から島式2面4線に増強されることになっている。これによって、とりあえず運行の定時性が確保されるであろう。混雑緩和のために、地下に急行線を増設して複々線とする構想があるが、まだ具体化はしていない。東京における都心部の私鉄の線路増設に対する助成策が期待される。
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