米デル、さえないPC販売の見通し MBO案めぐる不透明感

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8月11日、過去数カ月にわたる米パソコン(PC)大手デルのマネジメントバイアウト(MBO)案をめぐる不透明感によって、同社のさえないPC販売見通しが一段と悪化している。写真は同社のロゴ。米アリゾナ州で2010年2月撮影(2013年 ロイター/Joshua Lott)

[サンフランシスコ 11日 ロイター] - 過去数カ月にわたる米パソコン(PC)大手デルのマネジメントバイアウト(MBO)案をめぐる不透明感によって、デルのさえないPC販売見通しが一段と悪化している。

MBO案を提示している創業者マイケル・デル氏と、大株主でMBOに反対している著名投資家のカール・アイカーン氏との対立は一部の顧客にも懸念をもたらし始めた。

PCの世界販売見通しがこれまでにないほど悪化するなか、こうしたことは企業にとって最も避けたい事態だ。調査会社IDCによると、第2・四半期のデルのPC出荷台数は前年同期比4.2%減少する見通し。

デルの再販売業者SLパワーズのセールス・マーケティング担当バイスプレジデント、Michael Gavaghen氏は、一部の顧客が、デルが長期的に存続するかと質問し始めたと明かし、販売の成立にもこれまでより時間がかかるようになったと指摘した。ただ、顧客が流出しているわけでは決してないと加えた。

デル氏とプライベートエクイティ企業シルバー・レイク・パートナーズの250億ドルでのデルMBO案をめぐる不透明感はここ1カ月間に一段と高まった。MBOに反対するアイカーン氏は最高経営責任者(CEO)と取締役会メンバーの交代を求めると警告。株主投票の早期実施を求めてデルを訴えた。

デル氏は主要投資家の支持を得るため、MBO案を2度修正。MBO案の是非を問う株主投票は3回延期された後、現在9月に予定されている。

一部のデル従業員は、社内の状況は現在落ち着いているとしたうえで、アイカーン氏が思うままに経営陣の刷新を行えば、事態が急変する可能性があると指摘する。

デルの再販業者ミラクル・ネットワーキング・ソリューションズの代表兼シニアエンジニアのJohn Pucillo-Dunphy氏は、デルの非公開化案を支持する意向を示し、アイカーン氏の長期的なビジョンが依然不透明なため、指導者としてデル氏をより信頼すると述べた。

デルの株式8.9%を保有し、第2位の大株主であるアイカーン氏はこれまで、大規模なPC顧客基盤に基づく展望のほか、一部上場を維持するべきとの意向を示す以外にデルについて長期的なビジョンをほとんど明らかにしていない。

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