DMMが「最強IT集団」をルワンダで育てる意味 東大卒・タンザニア人社員に託された使命
そのために、今回DMM.HEHEの会長に就任したカプング氏が経営面を、CEOで自身もエンジニアのイリバギザ氏がプロダクト面を統括する形に体制を再構築。現在8人の人員は、1年内に50人、中期的には100人(エンジニア40人、営業20人、残りは現地の事業者向けITコンサル部隊等)程度まで増やすことを構想している。
まず同社が目を付けたのが、EC領域だ。ルワンダでは専門業者が確立していないため、消費者へのラストワンマイルを担う配送網がまだまだ弱い。そこで、米ウーバーのような配車サービスを応用し、首都・キガリを中心として町中に散らばるバイクタクシーを荷物の配送に活用する仕組みを構想する。早ければ今年6月末にも関連サービスを投入するという。
DMMが「ルワンダ」を選んだワケ
DMMがアフリカ最初の拠点にルワンダを選んだのには理由があった。ルワンダは1994年、大統領暗殺事件から大量虐殺に発展した内戦を経験。しかし、国全体が大きく落ち込んだところから、治安や教育水準の向上を徹底し「アフリカの奇跡」と呼ばれるほどの急速な経済発展を遂げた。
その勢いでルワンダが目指すのは、いわば“アフリカのシンガポール”。法人税率を下げるなどさまざまな政策を講じながら、世界のIT企業誘致やスタートアップ育成に邁進しているのだ。
政府の役人の対応の早さ、丁寧さもずば抜けていた。「オフィスビルの手配や駐在員のビザのサポートなど、開発庁から『何か困っていることはない?』とメールが来るほど。ここまで手厚い支援はほかの国では考えられない」(カプング氏)。
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