TPPに乗じて拡大、したたかなアフラック

かつての敵だった日本郵政と提携し、地盤を強化。

2011年1月、日本郵政の齋藤次郎社長(当時)は記者会見でこう述べていた。

「かんぽ生命保険ががん保険の分野に進出することについて、米国、特に通商代表部(USTR)が深い懸念を持っていると伺っている。米国側とすれば、アフラック(アメリカンファミリー生命保険会社)などが約8割のシェアを占めているわけですから、そういう懸念を抱かれるのは、ある意味当然ではないか」

それから2年半後の7月26日、日本郵政はアフラックとの提携を発表した。日本郵政はすでに約1000の郵便局で、アフラックのがん保険を取り扱っているが、それを約2万の郵便局に拡大するほか、79あるかんぽ生命の直営店でも販売する。また、傘下の日本郵便およびかんぽ生命で取り扱う専用商品をアフラックが開発する。

がん保険分野で7割の国内シェアを握り、40年にもわたる日米保険摩擦を戦い抜いてきたアフラックにとって、今回の提携は歴史的な勝利だった。かんぽ生命のがん保険への進出を阻止したのと同時に、全国津々浦々に張り巡らされた郵便局ネットワークを使うことによる販売拡大の道が開けたからだ。

アフラックのチャールズ・レイク在日代表は、かつてUSTRの日本部長として日米保険協議でタフネゴシエーターぶりを発揮してきた人物。そのレイク氏は記者会見の場で、これまで民業圧迫と批判してきた日本郵政について「ウィン・ウィンの関係になる」と笑みを浮かべた。

一方、上場を目指していた日本郵政にとっては、追い込まれた末での決断だった。株式会社化されてはいるが、政府が100%の株式を握る国有企業であるがゆえに業務面で手かせ足かせをはめられ、身動きが取れない状態だったからだ。新商品の認可が実現しないこともあり、かんぽ生命の12年度末保有契約件数は、ピーク時の4割強にまで落ち込んでいた。

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