アウディA3の高性能版、「S3」に乗ってみた

290馬力、7速、フルタイム4WDを操る

ここで紹介するS3 スポーツバックの場合、性能面では2.0TFSIユニット、すなわち2リッター直噴ターボ・エンジンの最高出力が285psから290psにアップし、「Sトロニック」とアウディでは呼ぶデュアル・クラッチ・トランスミッションが従来の6速から7速へと進化した。この2点は重要だ。

というのも同時期にマイナーチェンジを受けたVW ゴルフ Rは280psで6速にとどまっているからだ。S3との価格差はおよそ50万円。いや、私のは290psで7速ですよ、とゴルフR、および従来型S3のオーナーにつぶやく特権が新型S3のオーナーには与えられる。

う〜む。なんたるこっちゃ!

それにしてもS3とA3との性能差は一目瞭然だ。A3の最高性能版である2.0TFSI クワトロが190psと320Nmであるのに対して、S3の2リッター直噴ターボ・エンジンはボア×ストローク、排気量こそ同じながら、まったくの別物で、最高出力290psを5400-6500rpmで、最大トルク380Nmを1850-5300rpmで紡ぎだす。パワーにして1.5倍、トルクにして1.2倍の強心臓を同じボディに持っている。駆動方式は、アウディの伝家の宝刀クワトロ、すなわち電子制御のフルタイム4WDである。

この上に、367psの2.5リッター直列5気筒ターボを搭載するRS3、756万円というモンスターもあるけれど、それはまた別の機会にさせていただくとして、筆者はマイナーチェンジ前のS3を2014年にドライブして感激した記憶がある。某媒体に、「驚天動地のハンドリング・マシン」「まるでロータス・エリーゼのようだ……」「キム・ヨナ級」と書いた。「う〜む。なんたるこっちゃ!」とも書いた。エンジンをフロントに横置きする前輪駆動ベースの小型4WDにこんな感想を記しているのだから、私的にも「なんたるこっちゃ!」と意外だった。それほどS3はヨカッタ。

当時のS3は車重1540kgで最高出力280ps。最大トルクは新型と同じ380Nmだから、マイチェン後のモデルとそう変わっているわけでもない。電子制御ダンピングの「アウディマグネティックライド」の出来栄えが印象的で、山道での姿勢の制御が完璧でありながら、乗り心地がすばらしくスムーズで快適だった。あれから3年。あの感触を再び、と期待しての長尾峠詣でだった。筆者の前に姿を現した濃紺の新型S3は、ちょっと違った意味で、「う〜む。なんたるこっちゃ!」だった。

ギアが1枚増えた分、高速巡航時のエンジン回転数がいっそう低くなった。7速トップ、1800rp程度で100km/h巡航できて、これは当然、燃費に寄与する。そこからアクセルを踏み込むとヴォーッという野太い排気音が後方から、控えめながら轟いてくる。

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