「乗り換えで歩く距離」が長い駅ランキング 1位は766メートル、2位は565メートル

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交通センサスの調査で対象となっている3大都市圏の乗り換え駅のうち、最も水平移動距離が長いのは渋谷駅のJR埼京線から東急東横線への乗り換えで、766.5メートル。駅別の最長乗り換えルートで比較すると、次いで東京駅の東海道線から京葉線への乗り換えが565.2メートル、3番目が阪急梅田駅からJR大阪駅の大阪環状線への乗り換えで561.4メートルだ。中京圏では、大曽根駅でのJR中央線から市営地下鉄名城線への乗り換えが390.7メートルで最も長い。

渋谷駅などの複雑な乗り換えルートのイメージから、乗り換え移動距離といえば首都圏が長そうに思えるが、近畿圏はJR大阪駅と阪急梅田駅など、同一ターミナルでもJRと私鉄の駅が離れているケースが多いことが平均距離を延ばす結果となっているようだ。

大阪駅(梅田・西梅田・東梅田の各駅を含む)と新宿駅(西武新宿駅を含む)の各路線間の平均移動距離を割り出してみると、大阪駅は328.6メートルなのに対し、新宿駅は182.2メートル、池袋駅も207.1メートルとそれほど長くない。工事が続き「迷路のよう」ともいわれる渋谷駅も、平均は330.5メートルで大阪駅とほぼ同じだ。一方、近畿圏では天王寺駅(大阪阿部野橋駅を含む)も平均243.4メートル、難波駅(南海・近鉄・地下鉄)も平均334.3メートルと、首都圏の主要駅より長い。

東京は渋谷駅の一部や東京駅の一部など、突出して距離の長い経路があるものの、全体的に見れば近畿圏のターミナルよりも乗り換え距離は短いのだ。

ビル16階分の上下移動を伴う駅も

乗り換えの際には水平移動だけでなく、階段やエスカレーターなどを上ったり下りたりという「上下移動」も付き物だ。こちらの平均距離については各都市圏ともそれほど大差なく、首都圏と近畿圏が14.3メートル、中京圏が13.3メートルとなっている。

だが、最大値は大きく異なる。中京圏は名古屋駅でのJR東海道本線と地下鉄桜通線間の26.9メートル、近畿圏では中百舌鳥駅での南海高野線・泉北線と地下鉄御堂筋線間の28.2メートルが最も長いが、首都圏の最大値はなんと48.6メートルにも達する。

これだけの上下移動を伴うのは、秋葉原駅でのつくばエクスプレスとJR総武線各駅停車の乗り換えだ。つくばエクスプレスの同駅ホームは地下4階、総武線各駅停車のホームは地上3階だが、実際の距離を考えると1フロアの高さが3メートルのビルなら16階分に匹敵する。同駅で両線を乗り換えて通勤している人は、知らず知らずの間に毎日片道ビル16階分の上下移動をしているわけだ。大井町駅でのJR京浜東北線とりんかい線の乗り換えも46.6メートルとほぼ同じだ。

つくばエクスプレスの秋葉原駅、りんかい線の大井町駅はどちらも2000年代に入ってから建設された駅。上下移動距離の長さは、これらの新しい路線がいかに地下深くを通っているか、利用者が実感するポイントでもある。

意外に長い距離を歩いている電車の乗り換え。同じ路線間でも、乗り換える駅を変えるだけで移動距離を減らせる場合もある。日頃利用している乗り換えルートの長さがどのくらいか、歩数や時間などを計ってみるのも面白いのではないだろうか。

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