イー・モバイルが投入 100円PCの大胆戦略
ついに100円でパソコンが手に入る時代が到来した--。
コジマやビックカメラなど大手家電量販店で、小型パソコンとデータ通信端末のセットが100円という破格値で売られ始めた。陰の仕掛け役はイー・モバイル。台湾・アスーステック製の低価格パソコンと新料金プランを組み合わせて実現。パソコンと通信端末の合計額7万数千円は、8割以上をイー・モバイルが負担。残りの数千円分は量販店、イー・モバイル、メーカーの3者が負担する。2年契約を条件として通常の月額基本料に900円を上乗せし、割引分を回収する仕組みだ。
イー・モバイルの今年3月期決算は通信エリア拡大に向けた基地局への投資がかさみ、382億円の営業赤字。黒字化には「300万人の新規契約が必要」(阿部基成副社長)だ。今期も100万人の契約増を目指しており、100円パソコンの投入をあえてiPhone発売時期にぶつけ、新顧客層の開拓を狙う。
量販店側にもうまみはある。パソコン販売は通常、低利益がネックだが、今回のセット販売はイー・モバイルから販売報酬が支給される。両者の思惑が一致した格好だ。
発売後は「在庫を厚くしたが品切れが起きた」(量販店)など好発進の様子。イー・モバイルは今後もヒューレット・パッカードなどと組み、セット販売を広げたい構え。高機能製品の普及で、買い替え需要が伸び悩むパソコン市場。その面からも100円パソコンへの注目度は高い。
(麻田真衣 撮影:風間仁一郎 =週刊東洋経済)
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