ゴルフ人気復活のカギが「練習場」にあるワケ 国内ゴルフ人口は10年で3割近く減少

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しかも、道具をそろえたからといって、すぐにまともなプレーができるようにはならない。ウッドやアイアンなどのクラブを「一応のレベル」で使えるようになるまでに、かなりの練習が必要である。野球やテニス、卓球などに比べてゴルフクラブの場合はシャフトからヘッドが横についている構造のため、そもそもボールに当てるのが難しいのだ。

ゴルフは楽しめるレベルに達するまでに、修練が必要なスポーツである。ノンゴルファーがゴルフに触れ、やがてコースでプレーを楽しめるようになる過程を考えると、まずはゴルフ練習場に通うのが最適だろう。また、すでにゴルフを始めている人が上達し、ゴルフにおカネも時間も投じる熱心なプレーヤーに変わっていくためにも、ゴルフ練習場は欠かせない場所である。

ゴルフの「入り口」である練習場が減っている

つまり、ゴルフ練習場こそが、新たなプレーヤーを生み出すゴルフの「入り口」であり、既存のプレーヤーがゴルフを続けるための場でもある。つまり、ゴルフコース以上に、練習場こそが、ゴルフ人口を維持するためのインフラとなってきた。しかし、今後の日本ゴルフ界の再活性化を考える際に、そのゴルフ練習場の減少が、深刻な問題として浮上しているのだ。

ゴルフコースは現在、全国に2350施設(2015年度「一般社団法人日本ゴルフ場経営者協会」の調査)ある。ゴルフ練習場はより多く、屋内と屋外合わせて全国に3211施設(2015年度「ゴルフ経営研究所」の調査)だ。
レジャー白書によると、2015年の売り上げはゴルフコースの合計が8780億円で、ゴルフ練習場の合計は1350億円である。

ゴルフコースは18ホールでおおむね99万平方メートル(東京ドーム21個分)の広さが必要といわれているが、ゴルフ練習場にはそこまで大きなスペースは不要で、アクセスも比較的よい地域にあることが多い。だから、集客や施設の維持・管理はゴルフコースに比べれば、比較的容易なはずだ。

しかし、ゴルフ練習場の減少に歯止めがかかっていない。ピーク時の1992年度には5420施設あった。それが2015年までに4割も減っている。ゴルフコースはというと1992年は2028施設、ピークは2002年2460施設で、2015年には2317施設に減った。

国内のゴルフ練習場全体の売り上げは前年の1260億円から7.1%増加しているが、淘汰が進んだことで、生き残ったゴルフ練習場に客が集まっているためだ。これだけ数が減ってしまうと、仕事を終えてゴルフ練習をするなど、生活圏内で気軽にプレーすることが難しくなっているのは間違いない。

あるゴルフ場経営者は「ゴルフ練習場が減った結果、短期的に客の入りはよくなっている。しかし、中長期的なゴルフ人口減を考えるといずれ厳しくなる。今後を考えると、マンションや商業ビルにしてしまうほうがいいのかもしれない」とこぼす。

練習場がゴルフの「入り口」だと述べたが、これから始めようという人向けに、ほぼどの練習場でもゴルフスクールを開いている。クラブを買わなくても、ほとんどの練習場でレンタルできるので、まず触れようとする人にはぴったりだ。

ただ、多少の興味があっても、なかなかゴルフスクールへ行く、きっかけや後押しがないのも事実である。以前は仕事上必要であるという意識が強く、社会人になることがゴルフを始める有力な動機になっていたが、現在は特に若い世代がゴルフを始める機会が少なくなっている。

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