政治アカウントのフォローは就活に不利?! 都議選候補予定者「そりゃ政治離れするよ」
――ツイートの出来事があったのは、どんな状況でのことですか?
4月中旬、選挙区内の駅前で演説した後、喫煙エリアにいた数人の方に「うるさくして、すみません」とご挨拶して帰ろうとしたときの話です。数人のグループの若者に声をかけました。
若者たちは「いいっすよ、別に」と目をそらしましたが、「政治に興味ありませんか?」と声をかけて、グループの3人と話しました。
雰囲気的には「関わりたくないなぁ~」という感じでしたが、それはいつものことなので「ちょっと、若者の意見を聞かせて欲しいのですが」と切り出しました。
「昨夏の都知事選挙に行ったか」「小池都知事をどう感じるか、好きか嫌いか」「豊洲問題をどう思うか」「学生さんなら、給付型奨学金制度の充実が必要だと思うか?」といったことを尋ねました。
全員投票に行ってませんでしたし、小池知事には良くも悪くも感じていなく、豊洲はわからないけど無駄遣いならやめて欲しい、五輪施設にカネを使うなら節約して欲しい、奨学金に回して欲しいよね、といった感じの回答でした。1人は有名大学の学生らしいことがわかりました。
会話中、1人はスマホをいじりながらの対応でしたので、「お、ツイートですか、良かったらフォローして下さい。Facebookもしていたら繋がって下さい」という会話をした答えが、ツイートで書いた「ごめんなさい、政治アカウントの人とは繋がれません」でした。
「色が付いていると思われるのは困る」「政治に関わってSEALDsみたいな人たちと一緒に見られたくない」というのは、実は前々から街頭や撮影先の大学などで聞いていましたので、その時は、特別だとは思いませんでした。今、沢山のリツイートが続いているので、内心みんな「おかしいよな」と思っているんだろうなと思いました。
不安要素は取り除きたいというのが透けて見える
――「政治的な意見を表明することが就活に悪影響になる」問題についてどうお考えですか?
私も経営者でしたから、多少の「色が付いている」は理解しますが、デモに出て捕まって社名まで出てしまうような行為をしそうな人なら、遠慮するでしょう。
今は、JCや商工会などの小規模商業者の集まりでも自民党推しをするか、無関心を装うかしないと、どこでどう取引に関わることで理不尽な目に合うかわからないから、と警戒しているように見えます。
中小零細企業は、景気が悪くなってからの一強の政治になって、定期的に仕事のあるところは「官」であることから、取引上の上流に「官」の影がある事業なら、非政権側にいるとは思われたくないと思うのが当然ですし、そのような従業員を抱えていると思われたくないのも理解します。
なんとなく監視されている社会のようで、出来うる限りの不安要素は取り除きたいというのが、透けて見えます。
代議士選挙が中選挙区制度の頃は、同じ自民党でも違う候補を推しても「同じ自民だから」と許されている面があって、おおっぴらに支持を表明していた人もいたように思いますが、今は、どちらかしかないので、表明には覚悟がいるのではないでしょうか。