ドル下落、トランプ米大統領の発言受ける 昨年11月以来の安値、1ドル108円台へ
[ニューヨーク 12日 ロイター] - 終盤のニューヨーク外為市場では、トランプ米大統領の「ドルは強くなりすぎている」との発言を受けて、ドルが主要通貨に対し下落した。対円では0.5%安の109.1円へと下げ幅を広げ、昨年11月17日以来の安値水準となった。
トランプ氏はこの日、米紙ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)とのインタビューで、ドルの強さに懸念を表明するとともに、連邦準備理事会(FRB)が政策金利を低く維持することが好ましいとの見方を示した。中国を為替操作国とは認定しない方針を明らかにしたほか、来年任期が切れるイエレンFRB議長の再任の可能性にも含みを残した。
こうした発言が伝わり、主要6通貨に対するドル指数<.DXY>は、3月30日以来の安値水準へと下落した。
BKアセット・マネジメントのマネジングディレクター、キャシー・リーン氏は「市場は大きく反応したが、過剰反応ではないか。大統領は(政策が)貿易に関し後退しているわけではないと米国民に訴えて(政策がなかなか実現しないことによる政権への)ダメージを防ぎたいだけかもしれない」と指摘した。
リーン氏はまた、地政学的なリスクを背景に「ドルには既に下押し圧力が掛かっており、さらに圧力を高めるような口実があれば、ドルはさらに値下がりする可能性が高い」と分析。トランプ氏の発言は長期的にドルの重しになるかもしれないとした。
ドル/円<JPY=>は、11日に1%超下落し、ここ3カ月で最大の下落を記録。昨年11月中旬以降で初めて110円を下回っていたが、12日はトランプ氏の発言を受けてさらに下落した。
ドルは対スイスフラン<CHF=>で一週間ぶり安値の1.0024フランへと下落。
トランプ発言を受け、ドルは中国の人民元<CNH=>に対しても下落し、0.15%安となった。
ユーロ/ドル<EUR=>は、0.6%高の1.0671ドルとなり6営業日ぶりの高値をつけた。
ドル/円 NY終値 109.00/109.06
始値 109.60
高値 109.86
安値 108.97
ユーロ/ドル NY終値 1.0664/1.0668
始値 1.0600
高値 1.0675
安値 1.0590
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