鉄道マンが「見えない」を体験して見えた課題 体験すれば広がる?視覚障害者への「声かけ」

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セミナーでは、駅に停めた電車内での座学と体験講習の2つを実施。座学では、人によって異なる視覚障害者の「見え方の違い」や、どのような案内・誘導が適切かについて協会スタッフが講義した。特に強調されていたのは、視覚障害者にはまったく見えない全盲の人もいれば、視野が狭い人やまぶしさを強く感じる人などさまざまな状態の人がいるという点だ。

「目線を合わせて話せたり、本を読んでいたりしても白杖を持っていれば視覚障害者。『見えているから大丈夫』ではなく、白杖を持っている人がいたら一声をかけていただきたい」と、日本盲導犬協会神奈川訓練センター長の山口義之氏。さらに「見え方が違うということは、危険を感じるポイントが違うということ。声かけや案内の際に『必ずこうすればいい』という答えがつねにあるわけではない」と安保氏はいう。

どんな声かけが有効?

危険が迫っている場合の声かけの方法も学んだ(撮影:風間仁一郎)

では、具体的にはどのような声かけが望ましいのだろうか。まず重要なのは「『白杖をお持ちの方、お手伝いしましょうか』といったように、相手が自分に話しかけているとしっかりわかるように声をかけること」だ。「駅員です」など、声をかけているのが誰かを一言加えると、視覚障害者にとっても援助のお願いがしやすいという。安保氏はさらに「『どのようにお手伝いしましょうか』と、どんな誘導方法がいいのか本人に聞いてほしい」と付け加えた。

一方、危険なときの声かけはまた異なる。障害物にぶつかりそうなシチュエーションを想定した講習で「危ない!」と声をかけた参加者に、安保氏は「『危ない』の後、どうすればいいかの一言がないと、どうしていいかわからない。『白杖の人ストップ!』でも構わないので大きな声で止めること」と説明。通常の案内ではしてはいけないが、今にも転落しそうな場合などは「引っ張って」と参加者に求めた。

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