セブン・マック…、これが「FC店増減」の全貌だ 消費の栄枯盛衰は主要チェーンの動向が映す
(※)東洋経済オンラインサイト上に掲載した「小売り」の図表について、記事初出時にミニストップの初期投資額は「約390万円」としていたが、うち什器備品と消耗品の代金、つり銭準備金、ほか諸費用は契約後の開業前に支払う費用であることから、契約前または契約時に支払う額は「250万円」に修正した(2017年4月10日17時追記)
FCオーナーは脱サラ組の個人、法人などさまざまだが、店舗数が増えるということはそれだけ加盟を希望するオーナーがいるということ。店員の過労問題、24時間営業の負担拡大など、何かと不安要素を報じられることが多いコンビニだが、「何だかんだ言って、やはりフランチャイズの中でオーナーが安定して収益を得やすいのはコンビニ。だからこそ複数店舗を経営するオーナーも多い」(FCコンサルタント)と、FC本部を選ぶオーナー目線に立った専門家の評価は総じて高い。
実際、コンビニは売り上げでも店舗数でも他を圧倒。まさにFC業界の牽引役といえる。これまで酒屋などの個人商店がコンビニに鞍替えしてきた歴史があるが、今もなお金融機関の振り込みや宅配の窓口、チケットの受け取りなどその役割を着々と増やしている。もはや多くの人に欠かせない存在となっている状況を、FCの伸びが示している。
目下、人手不足という逆風が襲うが、セブン‐イレブン・ジャパンが9月から加盟店支援のため、店舗から徴収するロイヤルティを初めて減額するなど、各社も対応に走っている。逆風を切り抜け、さらなる成長を続けられるかが試されている。
下位にも目立つコンビニ勢
コンビニ以下の小売り業者をみると、不二家洋菓子チェーン、オートバックスなどが続く。不二家洋菓子チェーンは2013年度に455店だったのが2015年度には513店へと58店舗増加。2014年に「タカラブネ」などをFC展開しているスイートガーデンを買収しており、その影響が大きいと見られる。
下位に目を転じると、上位同様、ミニストップ、ポプラ、コミュニティ・ストア、デイリーヤマザキ&ニューヤマザキデイリーストアといったコンビニ勢が目立つ。市場としては拡大を続けるコンビニだが、大手3 社の寡占化が強まっており、それ以外のチェーンの苦境がここに表れている。
山崎製パンが手掛けるデイリーヤマザキとニューヤマザキデイリーストアの合計店舗数は、2013年度末の1273店から2015年度末に1207店へと66店減少。大手3社の出店ラッシュを受け、店舗の売り上げが悪化したことで不採算店を閉めた。ただし足元では、自前のパンを店舗で焼き上げるなどの差別化戦略が奏功しており、2016年度にはFC店舗数が前年度比26店増と底を打っている。
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