別居中の夫が「愛犬」連れ去ったらどうする? 離婚時に夫婦のどちらが引き取れるのか
別居中の夫に、愛犬を連れ去られた。取り戻すためにはどうすればいい――。インターネット上のQ&Aサイトに、ある女性が相談を寄せていました。
女性は結婚後、夫と共同で犬を購入。散歩や病院通い、シャンプーなどの世話は全面的に女性がしていたそうです。夫の不倫をきっかけに別居し、女性は今まで住んでいた家で、犬と一緒に暮らしていました。
ある日「荷物を取りに行きたい」と夫から女性に連絡が入りました。女性はそのとき外出中で立ち会えなかったため、断ることに。すると、家の鍵を持つ夫は「●●(ペットの名前)は連れて帰る!」とメッセージを残し、連れて行ってしまったそうです。
女性は「ペット(家族)が絶対に必要」と語ります。今回のようなケースで、女性は犬を引き取ることができるのでしょうか。長瀬佑志弁護士に聞きました。
ペットの引き取りを巡る争いは少なくない
離婚する際、ペットを夫婦のどちらが引き取るかを巡って、争いになることは少なくありません。ペットを我が子のように可愛がってきた人からすれば、ペットを夫婦のどちらが引き取るかは、子の親権を巡る争いと同じように考えられるのかもしれません。
ですが、日本の法律上、ペットは「動産」、つまり「もの」として扱われることになります。したがって、ペットを夫婦のどちらが引き取るのかは、親権の問題ではなく、財産分与の問題として考えることになります。