中央線快速の車窓に映る「あの山」の名前は? 通勤電車でも「百名山」の眺望を堪能できる
中央線快速は上り電車の場合、新宿駅まであと10分といった所の高円寺駅付近までの間であっても、上記のように名にし負う名山がいくつも見えている。立川から新宿へと、上り電車を例に述べていこう。立川―三鷹間は2010年に高架化された区間である。国立駅ホームもこの時高架となった。これまでの歴史では車窓から山の姿が次々と消滅してきた。高いビルがどんどんできて視界が遮られてしまったためである。私が子どもの頃の昭和40年代には山手線五反田―目黒間で富士山が見えていたが、だいぶ昔に見えなくなった。ところが中央線のこの区間では、高架化により好展望の出現となった。
東京都最高峰「雲取山」も見える
立川―国立間は高いビルが比較的少なく、右車窓、左車窓とも屈指の好展望区間である。眺めを堪能するために国立駅で下車してみよう。前述の上りホーム立川寄り先端。やはり富士山の存在感は圧倒的である。都心に近い駅としては屈指の富士山好展望ホームなので、じっくりとその姿を味わいたい。その南側(左側)、日本百名山のひとつ丹沢山、蛭ヶ岳、塔ノ岳などが連なる丹沢山地が続く。ビルの間に一番南側の大山が顔をのぞかせている。大山はケーブルカーも敷かれているので登られた方も多いだろう。立川から高円寺までの間、いたる所で丹沢山から大山までの連なりが右側車窓から見える。南端の大山のすそ野が平地へと溶け込んでいく稜線の緩やかなカーブは個人的に最も好きな部分で、夕暮れ時など官能的に感じられるほどほれぼれさせられる。
線路を挟んで反対側はあまり注目されないが、こちらも名峰が連なっている。目立つのは山頂が突き出たように尖がる大岳山だろう。青梅線御嶽駅近くから御岳山ケーブルで登る御岳山の、すぐ南側の山である。特に注目すべきがその右側奥、東京都最高峰、日本百名山にも選ばれている雲取山だ。
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