民進党大会で透けてみえた蓮舫代表の「命脈」 都議選惨敗なら衆院選前の引責辞任も

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党代表として次期衆院選での衆院への鞍替えを宣言した蓮舫氏だが、出馬選挙区については明言を避けた。昨年秋には「東京の比例代表1位」との案も出たが、党内からは「政権交代時に首相になる立場の政治家が選挙区で勝負しないのはおかしい」との異論が相次いだことで立ち消えになった。党内では東京の小選挙区の象徴とも位置づけられる東京1区からの出馬も取りざたされているが、2月の千代田区長選の結果をみても、小池新党が候補を擁立すれば当選はおぼつかないし、そうでなくても自民党現職に勝てる保証もない。

「就任1年で9月に代表交代」の声も

その衆院選だが、ここにきて与党内からは「首相は2018年9月の自民党総裁選で3選決定後の解散に傾いている」との情報が流されている。となれば蓮舫氏は、それまで約1年半、党代表の座を守らなければならない。しかし、党内では都議選惨敗を前提に「就任1年の区切りで今年9月に代表交代」との声も広がる。自民党から「蓮舫体制のほうが戦いやすい」と揶揄される状況では、蓮舫代表の命脈がいつ尽きても不思議ではない。 

党大会の終わった後、親しい議員たちと銀座のジャズバーに繰り出した蓮舫氏は、「カラオケの定番」で知られる中島みゆきの「時代」を仲間とともに合唱したという。

「そんな時代もあったねと いつか話せる日がくるわ」「まわるまわるよ 時代はまわる 喜び悲しみくり返し 今日は倒れた旅人たちも 生まれ変って歩き出すよ」

蓮舫氏の代表としての任期切れは2019年9月。今年1月の日本記者クラブの新年会にゲストとして出席した蓮舫氏は、同クラブ恒例の「今年の予想アンケート」に「12月31日の民進党代表は」との設問があるのを見つけ、自ら「蓮舫」と書き込んで投票したが、はたして来年の新年会に代表として出席できるのかどうか……。

泉 宏 政治ジャーナリスト

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いずみ ひろし / Hiroshi Izumi

1947年生まれ。時事通信社政治部記者として田中角栄首相の総理番で取材活動を始めて以来40年以上、永田町・霞が関で政治を見続けている。時事通信社政治部長、同社取締役編集担当を経て2009年から現職。幼少時から都心部に住み、半世紀以上も国会周辺を徘徊してきた。「生涯一記者」がモットー。

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