スマホの主戦場、アジアで広がる”消耗戦”

モバイル端末の主戦場はアジアに

価格が下がっているのは、スマホだけではない。タブレット型端末の値下がりペースはスマホより早く、アジア・太平洋地域では「まったく新しいネット利用者のカテゴリー」が生まれているという。

調査会社GfKによれば、フィリピンではタブレット需要は過去1年で4倍増となったが、同じ時期に東南アジア全体での端末価格は25%下がった。

ネット上での無料通話サービスを提供するバイバーのタルモン・マルコ最高経営責任者(CEO)は、端末のスペックやネットワークの品質がどうであれ、スマホやタブレットは、ユーザーインターフェースやアプリなど「同じDNAを持っている」と指摘。スマホが普及すればするほどネット利用も増えるとし、同社サービスの利用者が最も増えている国としてベトナム、パキスタン、ミャンマーなどを挙げた。

利益率の低下

しかし、成長のボトルネックもある。新興市場では、貧弱なネットワーク環境や3G料金の高さが、依然として多くのユーザーにスマホへの移行に二の足を踏ませている。市場調査会社ユーロモニターによると、2012年に中国で売れた携帯電話の62%はスマホだったが、モバイル・インターネットへの接続環境を持っているのは利用者の16%にとどまった。

中国では、中国移動<0941.HK>、中国連合通信(チャイナ・ユニコム)<0762.HK>、中国電信(チャイナ・テレコム)<0728.HK>の大手キャリア3社は、契約者獲得のために多額の端末販売補助金を投じており、それによって利益率が引き下げられている。

調査会社コムスコアのアナリスト、ジョー・グエン氏は、モバイル市場が成熟するに従い、端末メーカーも利益率低下を受け入れざるを得なくなると指摘。「結局、PC同様にスマホやタブレットも実用品にすぎない」と述べた。

(原文執筆:Jeremy Wagstaff記者、Lee Chyen Yee記者、翻訳:宮井伸明、編集:伊藤典子)

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