ウエスチングハウスが破産法申請の可能性  東芝に問われる「保証責任」

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東芝は先月14日、WHが米国で進める原発4基の建設をめぐり7125億円の損失計上を発表。当日は2016年度第3四半期決算を発表する予定だったが、WHでの内部統制の不備の可能性により決算発表を延期した。

関東財務局への四半期報告書の提出期限は今月14日だが、予定通り決算発表ができるかどうかは「五分五分」(幹部)の情勢との見方が多い。この期限までに決算発表が出来ず、同財務局が延長を認めない場合、今月27日には東芝の東証上場が廃止になるという。

麻生金融相は閣議後会見で「チャプター11(同11条)の適用申請をしないとWHの部分が確定しないから、東芝の決算も出しにくいということになっているのではないか」と指摘。3月中に適用申請を決めるべきだとの見方を示した。

主力行幹部からは「WHのリスクを遮断しないと2017年3月期決算がまとまらない」との指摘が出ている。8日の衆院経済産業委員会で世耕弘成経済産業相は「米国連邦破産法11条は必ずしも後ろ向きの話ではない」と答弁した。

米国での4基、建設遅れで追加損失も

WHが米国で進める原発建設では、さらに損失が膨らむとの見方が根強い。2020年12月までに4基それぞれが運転開始できない場合、発注元の電力会社は8年間に及ぶ税制優遇が受けられなくなる、というリスクがあるためだ。 これら4基の建設作業にはこれまでに3年程度の遅れが発生している。

日本国外の電力事業に関する調査などを行っている海外電力調査会によると、税制優遇が受けられなくなることで、電力会社側は1基当たり11億ドル(約1250億円)相当の優遇メリットを失う計算という。4基がいずれも優遇が受けられなくなれば、その額は5000億円規模に上る。原発の運転開始が遅れ、それがWHによるものと電力会社側が判断すれば、WHがこの優遇メリットの逸失について賠償請求される可能性は否定できない。

これとは別に、WHが破産法による再建手続きに入り、米国での4基の建設ができなくなった場合も、東芝は顧客の電力会社側から損害賠償を要求される可能性がある。 東芝はWHに対して7935億円の親会社保証をしているが、この保証の履行が必要となるのかどうか、東芝内部で検討が続いているもようだ。

会計評論家の細野祐二氏はロイターの取材で、WHが適用申請を行った場合、東芝が約8000億円の保証の履行を回避できるかどうかについて「それはあり得ない。すぐに請求が来るだろう」と話している。

(浜田健太郎、布施太郎 編集:内田慎一)

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