豊中「神道小学校」は設立経緯が不透明すぎる 「安倍晋三記念小学校」という名前で寄付集め
西側の土地の面積は8770㎡で、豊中市が取得したよりもやや狭い程度。これに目を付けたのが学校法人森友学園で、小学校建設用地として2016年6月20日に1億3400万円で取得した。隣接しあう土地であるにもかかわらず、取得単価は豊中市のおよそ10分の1だった。
その理由は「土地改良、埋蔵物撤去工事等に係る有益費」があったためだ。そもそも当該土地は、大阪航空局が2009年から2012年にかけて地下埋蔵物状況や土壌汚染状況を調査した結果、浅い部分から鉛やヒ素の土壌汚染と廃材・コンクリートガラ等の地下埋蔵物が発見されていた。
森友学園は2015年5月29日、近畿財務局との間で当該土地の買受け特約を付した有償貸付契約を締結。月額賃料は227万5000円だった。国有財産は払い下げが基本だが、公用や公共の用に供する場合、将来の買受けが確実ならば貸し付けもできる。森友学園の場合は純資産が4億2000万円しかなく、それでは10億円以上の建設費用を賄えないため、経営が安定するまで貸し付けで利用したい旨の申し出があったという。
そして2015年7月29日から12月15日まで土壌改良、埋設物撤去工事等を実施。この時にかかった費用1億3176万円は後に国から森友学園に支払われている。
ゴミが出た土地をあえて購入
ところが2016年3月11日、小学校建設工事中に地中深くから新たに廃材やプラスチック、家庭ごみなどが見つかった。さっそく14日には近畿財務局、大阪航空局、現地関係者が現場を視察。その直後の3月30日になって森友学園は土地購入を申し入れている。
「ゴミが出た土地をあえて買おうというのはおかしくないか。建設用地から当初はヒ素や鉛が検出されたが、後でゴミが出てきた深部はどうなのか。全部の土を掘り起こして新しい土に替えるならトラック4000台分になるが、その確認はしたのか」
こうした福島氏の追及に対して財務省は、「開校日が迫っているので早く除去したいという学園に処理を任せた」と述べるのみ。国が撤去及び処理費用として8億1974万1947円を計上したが、それが実費ではないことが明らかになった。
こうして当該土地の不動産鑑定評価額(更地価格)である9億5600万円からゴミの処理費用を差し引いた売買価格の1億3400万円で売られることになったのだ。
しかも、この1億3400万円は今後10年にわたって支払われることになっている。年間の支払い金額は、以下のようになる。
第2回 2018年5月31日納付期限 1120万5425円
第3回 2019年5月31日納付期限 1120万5425円
第4回 2020年5月31日納付期限 1120万5425円
第5回 2021年5月31日納付期限 1120万5425円
第6回 2022年5月31日納付期限 1120万5425円
第7回 2023年5月31日納付期限 1120万5425円
第8回 2024年5月31日納付期限 1120万5425円
第9回 2025年5月31日納付期限 1120万5425円
第10回 2026年5月31日納付期限 1120万5427円
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