ドラギ総裁「ユーロ離脱の恩恵なんて幻想だ」

通貨安で問題を解決することはできない

2月2日、ECBのドラギ総裁は単一通貨ユーロからの離脱はどの加盟国の利益にもならないとし、経済問題の多くは政治に起因しており、通貨安は解決策とはならないとの考えを示した。写真は1月19日、フランクフルトで記者会見する同総裁(2017年 ロイター/Kai Pfaffenbach)

[フランクフルト 2日 ロイター] - 欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁は2日、単一通貨ユーロからの離脱はどの加盟国の利益にもならないとし、経済問題の多くは政治に起因しており、通貨安は解決策とはならないとの考えを示した。スロベニアのユーロ導入10年の記念イベントで述べた。

「生産性の伸びが低い国は、深刻な構造問題が原因」

欧州ではポピュリズム(大衆迎合)の高まりを背景に、ユーロ懐疑派が勢いを増している。ユーロ反対派は柔軟性のある為替相場は通貨安を通じて競争力の回復を促し、終わりのない緊縮財政からの脱却を可能にすると主張している。

だがドラギ総裁は欧州の経済問題の根本原因は政治的なものであり、これが通貨ユーロへの信頼感を損ねていると批判。「改革を実行している国は、持続的な成長を実現するのに柔軟な為替相場に依存していない」とし、「生産性の伸びが低い国は、深刻な構造問題が原因であり、為替相場は問題の解決策とはならない」と述べた。

構造改革の進展の鈍さや欧州連合(EU)財政規律の徹底の甘さ、金融統合の脆弱さなどが問題だと指摘した。

その上で「通貨ユーロがこれらの問題の原因ではないことを明確にする必要がある」とした。

またユーロ圏は単一通貨によって強化された開かれた経済に引き続きコミットすべきとし、後戻りは誤りだと述べた。

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