賞与1円で報復、「労働組合潰し」の酷い実態

引越社やプリマハムで何が起きているのか

不当労働行為の新規申し立ては年300件台。労働運動が盛んだった昭和40年代に比べれば3分の1だが、中身が異なる。労働問題を約50年見てきた宮里邦雄弁護士は、「年300件のうち約7割はユニオン関連だ」と指摘する。

宮里弁護士の言うユニオンとは、1人でも結成できる労働組合のことだ。名ばかり管理職になり組合を脱退した者を救うためにできた「管理職ユニオン」が有名。会社に組合のない正社員、管理職や、派遣、非正社員、パートタイマーのための組合である。

過剰反応が問題を大きくする

ユニオンの多くは少人数で活動資金が乏しい。その中で動画サイトへの投稿など、先鋭的な活動も少なくない。

そうしたこともあり、ユニオンが出てくると過度に萎縮する経営者が多い。正面から食ってかかるのは少数派だ。そして多くの場合は弁護士に対策を委ねるようになる。

当記事は「週刊東洋経済」1月28日号<1月23日発売>からの転載記事です

弁護士は団交の申し入れ文書を「ここの趣旨が不明」と突き返す。やっと団交が開かれたかと思うと、弁護士が同席し主に弁護士が発言する。弁護士のみが団交に出席する……これでは従業員と向き合っているとはいえそうもない。

ユニオンに対する過剰反応が問題を大きくし、そこに収益機会を見いだす弁護士も存在することで、問題が複雑化しているようだ。

労働者の権利を軽視する事例は決してなくなっていない。それは「働き方」以前の問題だ。経営者には、組合に対する正確な理解と、自らが労働者と正面から向き合う覚悟が求められている。

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