トヨタの米国投資、今後5年で100億ドルに 過去5年間の投資額と同額

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1月9日、トヨタ自動車のジム・レンツ専務役員は、今後5年の米国での設備投資額は100億ドルになるとの見通しを示した。写真は2015年12月、カリフォルニア州セリトスのディーラーで撮影(2017年 ロイター/Mario Anzuoni)

[デトロイト 9日 ロイター] - トヨタ自動車<7203.T>のジム・レンツ専務役員は9日、今後5年間の米国での設備投資額は100億ドルで、過去5年間の投資額と同額になるとの見通しを示した。北米国際自動車ショーでのインタビューで述べた。

同社は2015年、カローラの生産をカナダからメキシコに移転すると発表しているが、トランプ次期米大統領は同計画を批判している。

レンツ氏は、決定はトランプ氏の批判に応じるものではなく、トヨタの米国における投資戦略の一環だと説明した。またメキシコ工場をめぐる計画は2013年ごろ始動しており、長期的なものだとした。トランプ氏とは話をしていないとも明らかにした。

過去5年間で5000人以上、雇用が増えた

100億ドルの投資には、現在テキサス州に建設中の新たな北米拠点や工場の大幅改築などが含まれるとした。トヨタは今後5年間で米国内の一部工場の拡充も予定しているが、雇用創出につながるかについてレンツ氏は明言しなかった。トヨタの米国での雇用者数は現在4万人だが、過去5年間で5000人以上、雇用が増えたという。

トランプ氏が目指す製造業と雇用の拡大は自動車販売の増加にもつながるもので賛同するが、トヨタは国際企業として競争力をつける必要もあると述べた。

トヨタの米国業務が広範であることを政策当局に理解してもらえるよう努力しているとした上で、インディアナ州知事を務めたペンス次期副大統領は、同州での業務を通じてトヨタという会社を熟知しているとした。

豊田章男社長はこの日、投資計画について明らかにするとともに、ケンタッキー工場で生産される新型「カムリ」をアピールした。

だがレンツ氏は、トランプ氏が提唱する国境税が導入されれば、自動車価格は値上がりし、雇用が損なわれかねないと指摘。「カムリ」も一部の部品が外国で製造されているため、課税されれば一台当たりのコストは1000ドル上昇する可能性があると述べた。

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