堕ちない社会より、浮かび上がれる社会へ 一罰百戒は軽度依存者の助けも阻害する
予定調和の大団円だった逮捕劇
元女優の高樹沙耶(本名:益戸育江)容疑者が大麻所持の疑いで逮捕された。逮捕のニュースを聞いて、私は驚かなかった。驚かなかったのは、たぶん、私だけではない。彼女の来歴と人柄を多少とも知っている人間は、彼女自身も含めて、今回の逮捕を半ば予想していたはずだ。というのも、高樹沙耶容疑者の周辺には、もう何年も前から、とかくの噂が流れており、今回の逮捕は、言わば、伏線の回収と言って差し支えのない、予定調和の大団円だったからだ。
むしろびっくりさせられたのは、彼女が、この5月の参院選に立候補したことだ。
「大丈夫なんですか?」
と、だから私は、事情通の知人に尋ねた。
「選挙なんかに出たら、かえって当局に身辺を洗われる結果になると思うんですが」
「それは私も懸念しています。とはいえ、私は、どちらかといえば、医療用大麻についての一部の人たちの主張が、彼女の逮捕によって台無しにされることを心配しています」
「逮捕?」
「目星をつけていたターゲットが、ここまであからさまに大麻使用を匂わせる形で立候補したわけですから、当局としても、そうそうのんびりと構えてはいられないでしょう」
「ってことは、近いうちに逮捕があり得るという読みですか?」
「まあ、当てずっぽうですけど」
だから、私はびっくりしていない。