JR「ダイヤ改正」で各社の収支はどう変わるか 列車本数や車両数の増減から独自検証

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■JR北海道

列車の新設が4本、1本の列車に連結される車両の数を延べ28両増やすことにより、JR北海道の営業収益は年間9億9122万2595円の増加が見込まれる。いっぽうで、列車の廃止10本によって予想される営業費用の減少額は年間7億2513万8230円だ。営業収益の増加と営業費用の減少とを合わせると、営業収支の改善額は17億1636万0825円となる見通しとなった。

今回のダイヤ改正で注目されるのは、札幌と稚内・網走との間を結ぶ宗谷・石北両線系統の特急列車14本中8本の運転区間を変更し、旭川―稚内・網走間とするというものだ。北海道最大の都市札幌への乗り入れ中止は沿線の関係者に少なからず衝撃を与えた。

今回の措置は財務状況の悪化によって車両の更新がままならず、使用可能な車両が減るからだという。しかし、折悪しく宗谷・石北の両線はJR北海道単独で維持できない線区と見なされたため、沿線の自治体では路線の廃止への一歩ではないかと警戒を強めている。

さて、札幌―旭川間の特急列車の本数は現状で60本、うち宗谷・石北両線系統の直通分は14本だ。ダイヤ改正で新たに3本が設定される一方で1本が廃止、前述のとおり宗谷・石北両線系統の直通分は8本が廃止となるので54本となり、差引6本の減少となってしまう。この区間の輸送需要そのものは存在するので、営業収益の減少は避けたいところだ。

JR北海道は北海道新幹線の開業前に青森―函館間の特急列車に用いていた車両を移動させると発表した。この結果、札幌―旭川間の特急列車のうち28本については従来の5両編成に1両連結した6両編成となる。延べ28両の車両が増える結果、この数値を従来の5両編成で除すれば5.6となり、差引6本の減少はほぼ相殺されそうだ。

「はやぶさ」2本増で17億円の増収見込み

■JR東日本

新設される列車が26本、1本の列車に連結される車両の数を延べ364両増やす結果、JR東日本の営業収益の増加額は年間44億6735万2762円と予想される。いっぽうで50本の列車が廃止となり、1本の列車に連結される車両の数も延べ15両減らされるために営業費用の減少額は年間16億8647万6874円に上る見込みだ。以上から、営業収支の改善額は年間61億5382万9636円と見込まれ、JR各社中最大となった。

東京と仙台との間の輸送需要が好調なことから、JR東日本は東北新幹線東京―仙台間の「はやぶさ」2本の増発を行う。これだけで営業収益の増加見込み額は年間17億0863万8967円に上る。

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