映画「この世界の片隅に」配給会社のこだわり 株価は5割増の爆上げ、東京テアトルの貢献

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姪っ子の晴美にも戦火が・・・。 ©こうの史代・双葉社/「この世界の片隅に」製作委員会

2013年に手放した銀座の自社ビルの売却資金も投じ、作品性の高い映画に出資し、配給権を獲得してきた。『この世界の片隅に』はそうした一連の取り組みが結実した作品なのだ。

しかし、元々はミニシアターの小規模公開から始まった作品。上映館数が広がってはいるとはいえ、東宝の『君の名は。』の観客動員数1500万人超、興行収入200億円超とは桁が異なる。「配給の手数料も興行収入の一部に過ぎない。業績影響はまだ限定的」と新井氏は語る。

時価総額は足元147億円と、11月初旬から30億円近く膨らんでいる。今後株価に見合うだけの業績影響が及ぶのか。それはひとえに『この世界の片隅に』のロングラン、さらなるヒットに懸かっている。

許斐 健太 『会社四季報 業界地図』 編集長

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このみ けんた / Kenta Konomi

慶応義塾大学卒業後、PHP研究所を経て東洋経済新報社に入社。電機業界担当記者や『業界地図』編集長を経て、『週刊東洋経済』副編集長として『「食える子」を育てる』『ライフ・シフト実践編』などを担当。2021年秋リリースの「業界地図デジタル」プロジェクトマネジャー、2022年秋より「業界地図」編集長を兼務。

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