「顧客情報ファイル」を駅で紛失したらクビ? IT企業で働く女性、泥酔してしまい…
会社の飲み会で泥酔し、「顧客情報」が入ったファイルを紛失してしまった――。東京都内のIT企業で働くアイコさん(28)の実体験です。
アイコさんはかつて、投資用マンションを販売する不動産会社で営業として働いていました。ある時、週末の仕事終わりに上司や同僚と居酒屋に行き「前後不覚になるほど」酔ってしまったアイコさん。気がつくと、最寄り駅から遠く離れた駅のホームに体育座りで寝ていたそうです。フラフラになりながらも、何とか家には帰ったといいます。
問題が発覚したのは翌日。鞄に入っていたはずのファイルが、忽然と消えていたのです。「物件のパンフレットや、顧客情報、業者から買った名簿まで入った大切なファイルだったので『社長にバレたら殺される』と真っ青になりました」。
まっさきに居酒屋に電話をかけて確認しましたが、それらしきファイルはないとの返答。「電車の中に置き忘れたのかも」と考えたアイコさんは、JR・私鉄各線に問い合わせました。
「東京駅の落とし物センターでそれらしきファイルを預かっていると聞き、すぐさま取りに行きました。まさに私のファイルで、山手線内に落ちていたそうです」。アイコさんは当時、確かに山手線には乗っていましたが、いつどこでどうやってファイルを落としたのか、全く記憶にないそうです。
アイコさんは会社にバレることなく、無事、落としたファイルを取り戻しましたが、仮にこの件が会社にバレていた場合、アイコさんは何らかの処分を受けた可能性があったのでしょうか。影島広泰弁護士に聞きました。
「解雇まではされないと考えられる」
ファイルの紛失が会社に発覚した場合、アイコさんは処分を受けた可能性はありますが、通常は、解雇まではされないと考えられます。
個人情報保護法のガイドライン(経済産業分野)によれば、個人情報を紛失した場合は、事実調査・原因の究明、影響範囲の特定、再発防止策の検討・実施、影響を受ける可能性のある本人への連絡、主務大臣への報告、事実関係・再発防止策などの公表を行うことが望まれるとされています。