ドル114円台、OPEC減産合意で9カ月ぶり高値 FRBが2017年に利上げペース加速の思惑も

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 11月30日、ニューヨーク外為市場では、OPECの減産合意を受けてドルは114.53円に上昇し、3月2日以来9カ月ぶり高値を付けた。100ドル紙幣、キエフで先月撮影(2016年 ロイター/Valentyn Ogirenko)

[ニューヨーク 30日 ロイター] - 30日のニューヨーク外為市場では、石油輸出国機構(OPEC)の減産合意を受けてドル高・円安が進み、ドル/円<JPY=>は一時、前日比1.9%高の114.53円に上昇し、3月2日以来9カ月ぶり高値となった。

OPECの合意を受けた原油価格の上昇が米国債利回りを押し上げたほか、予想を上回るADP全米雇用報告で、米連邦準備理事会(FRB)が来年に米利上げペースを速めるとの見方が強まった。

月間ではドルは対円で約9%上昇し、1995年8月以来の大幅高となる見込み。

ドルはユーロとスイスフランに対しても買われ、ユーロ/ドル<EUR=>は一時、約0.9%安の1.0554ドルに下落。ドル/スイスフラン<CHF=>は一時、1.0204フランに上昇した。

主要6通貨に対するドル指数<.DXY>は終盤、0.5%高の101.470だった。

OPECが2008年以降で初めて減産に合意したことを受けて米原油相場は一時、10%超上昇。原油高によりインフレが高進するとの見方が強まり、米国債利回りが上昇した。日本や欧州の国債利回りが低水準やマイナス圏で推移する中、円やユーロなどの通貨との対比でドルの需要が相対的に高まった。

クレディ・スイスの為替ストラテジスト、アルバイズ・マリノ氏は、この日のドル高要因は「金利差の拡大だ」と指摘した。米10年債利回りは一時、約11ベーシスポイント(bp)上昇して2.41%となった。

ADPなどが発表した11月の全米雇用報告によると、民間部門雇用者数は21万6000人増となり、市場予想を大きく上回った。

アナリストの話では、前日発表された米国内総生産(GDP)改定値に続き、強めの米経済指標が相次いでいることで、FRBが12月に政策金利を引き上げ、来年も速いペースで利上げを続けるとの観測が広まっている。

ドル/円 NY終値 114.44/114.49

始値 113.26

高値 114.53

安値 113.17

ユーロ/ドル NY終値 1.0585/1.0591

始値 1.0645

高値 1.0653

安値 1.0554

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