ジャガーが仕込む「EVスポーツカー」の実力 5ドア4WD、斬新な設計で2018年に登場へ

ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

ジャガー Iペース コンセプトが発表されたロサンジェルスは言うまでもなくカリフォルニア州。同州は環境規制に熱心なことで知られる。ZEV規制を実施すると発表したことで自動車メーカーに大きなショックを与えたのは記憶に新しい。

ZEVとはゼロエミッションビークル、つまりCO2や窒素化合物といった大気に有害な物質が含まれている排ガスを出さないクルマを指す。カリフォルニア州で年に6万台以上販売するメーカーは、その10パーセントを充電や水素などを含めた電気自動車などにしなくては罰金が科せられる。

ジャガーカーズはそこまでの販売台数はないけれど、プレミアムブランドとしていち早く環境問題に取り組んでいることを示すのに、このショーはうってつけの場所だったとみることも出来る。

Iペース コンセプトは電気モーターを前後に1基ずつ備え、駆動は電子制御の4WDだ。「ジャガーに期待される走りのよさは犠牲にしない」(開発担当のドクター・ウォルフギャング・ジーバート)といい、アクセルペダルを踏み込んだ瞬間に最大トルク700Nmが立ち上がる電気モーターの特性を活かして、静止から時速100kmまで加速するのにわずか4秒しかかからないと発表されている。

「社内では性能評価が進んでいて、これならいいね、というあたりまで仕上がっています」。ドクター・ジーバートがそう語るように、このクルマは着々と未来に向かって歩を進めているようだ。すがたはSUV的だけれどジャガーカーズの資料によると「着座位置はSUVとしては異例に低く」設定されている。操縦感覚はこれまでのジャガーに魅力を感じてきたひとからも文句は出ないはずと、開発におけるディレクターを務めたジャガーカーズのイアン・ホーガン氏は胸を張る。

斬新なパッケージング

もうひとつの注目点は斬新なパッケージングだ。大きなエンジンをフロントに搭載して後輪を駆動するという要件がなくなったためである。極端なことをいえばドライバーがどこに座っていいという前提から設計されている。Iペース コンセプトではドライバーをはじめとする乗員は車両の中心に座るようになるようだ。

「いろいろな制約から解き放たれてクルマのデザインは思いきり自由になる」。そう語るのはジャガーカーズのデザインを統括するイアン・カラム氏だ。見た目がスタイリッシュという僕の第一印象はきっと、このようにスタイリストが理想を追求したことの果実だといえる。内燃機関では実現できないスタイルということだ。

電気自動車は環境へのやさしさを示すデモストレーションにとどまらない。乗ることが誇りになる。そう感じさせてくれるのがジャガー Iペース コンセプトなのだ。発売は2018年になるという。価格の目安は現時点では「Fペースの最上級グレードの10〜15パーセント増し」(ジャガーランドローバージャパン広報部)だそうだ。早くもネットで予約できる。これも自分はジャガーのEVを支持するというデモストレーションになる。新しいスタイルだ。

(文・小川フミオ)

ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

関連記事
トピックボードAD
ライフの人気記事