レクサス、新型「IS」の真価 BMW、ベンツの牙城に挑む、トヨタの勝算

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

なぜ、新型ISは“スポーティ”にこだわったのか。

ひとつはライバル車の動向にある。一般的にBMWといえばスポーティ、ベンツはラグジュアリーという印象が強いが、「両社ともに指向を変えてきているようだ」と小林氏は言う。BMWやベンツは世界中で、さまざまなマーケティング上の要望を満たすうちに、「3シリーズはラグジュアリーな方向に、Cクラスはスポーティになってきた。そうしたら、スポーティのストライクゾーンのど真ん中が開いてしまった。新型ISはそこをドーンと攻める」。

トヨタ側の事情もある。「旧型ISは、レクサスのエントリー車としての役割も求められていた。それだけにスポーツ性が薄かった印象は否めない」。レクサス販売会社の関係者は語る。その後、レクサスはラインナップを増やし、「CT」などの「IS」の下に位置する車種も追加されたことで、新型ISはスポーティな要素を追求できるようになった。

全世界で月間7000台の販売目標

ライバル車を追撃する素地は整った。そしてトヨタは、日本国内はもちろんのこと6月に投入する欧米を中心に、世界の主要地域で新型ISを販売する。全世界ベースの販売目標は月間7000台、年間8万4000台に相当する。

主戦場に想定しているのは、BMWやベンツのおひざ元である欧州だ。3シリーズやCクラスは、企業が従業員に貸与するカンパニーカーとしての需要が多いという。そこで、ISの燃費のよさをアピールして、企業に導入を図る。ただ、米国や日本に比べて、欧州でのレクサスの知名度は低い。どこまでBMWやベンツの牙城を切り崩せるかは、未知数の部分もある。

次ページISが担う重責とは?
関連記事
トピックボードAD
自動車最前線の人気記事