日経平均は上下1000円の大荒れ相場 終盤上昇で前日大暴落から128円高

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後場は一時1万4000円割り込む局面も

昼のバスケット取引は524億円が成立し「売り買い均衡」と伝えられた。後場寄りは前引けよりも小幅安でスタート。12時34分に前日比402円高にまで上げるなど堅調なスタートを切った。しかし、この直後に相場は文字どおり急変する。為替が対ドル101円台前半まで円高に傾くのと軌を一にして、CTAと目されるヘッジファンド筋からの日経平均先物の大口の売りが波状的に出て、断続的な小口の売りと併せて、相場を急降下させた。特に13時40分~13時45分にかけては文字通り棒下げとなり、13時45分には今日の最安値の前日比502円安の1万3981円まで突っ込む場面もあった。

週末であり、来週月曜日は米国市場が休場となることもあって、ただでさえ、材料不足から様子見や売りポジションが取られる状況にあった。しかも、大暴落前の好地合であれば、先物売りが出ても絶好の押し目とみて、個人などを含めた買いが立ち向かい、相場を底支えしただろうが、「前日の大暴落により信用取引で追証が発生した個人には、その余裕もなくなっているのではないか」と市場関係者は説明。そうした事情が重なっての乱高下相場だったのかもしれない。

東京市場はその後もマイナス圏の悪い相場展開が続いたが、14時台半ば以降は為替が再度、対ドルで101円50~70銭台の円安基調に戻るとともに、買いが優勢になった。大引けにかけては一気に上げ相場に戻り、前日比128円のプラスで辛うじて終わることとなった。

東証33業種別では21業種が上昇、12業種が下げた。上昇率では電気・ガスの3.75%を筆頭に、空運が3.03%のプラスで続いた。下落率では石油が1.90%のマイナス、以下、紙・パルプ、卸売りと続いた。東証1部では全体の53%に当たる912銘柄が値上がり、同42%の718銘柄が値下がりした。変わらずは84銘柄だった。

個別銘柄では自動車などの輸出株、金融などの内需株といった主力大型株が、相場全体と同様に乱高下した。ファーストリテイリング、ファナックなど日経平均への影響度の高い株の動きも激しかった。上昇銘柄では、トマト銀行など地銀株の一角に反発上昇が目立った。

前日の株価暴落で、急ピッチだった日本株の値幅調整はいったん済んだが、来週以降は日柄調整が少し続くという見方が市場筋から出ている。引き続き、為替や債券(長期金利)、ヘッジファンドなど先物の動きに相場が振られることへの警戒感も、市場には根強く残っている。米国、中国、日本などの経済指標とともに、底値固めの動きが確認されるかどうかが来週のポイントだ。

大西 富士男 東洋経済 記者

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おおにし ふじお / Fujio Onishi

医薬品業界を担当。自動車メーカーを経て、1990年東洋経済新報社入社。『会社四季報』『週刊東洋経済』編集部、ゼネコン、自動車、保険、繊維、商社、石油エネルギーなどの業界担当を歴任。

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