進む円安ドル高、次の重要なドルの節目は? ディーラー歴20年の達人が読む為替
市場も迷っていたのだろう。海外市場では、ドル円は1ドル102円台中盤に下落後、103円中盤に上昇。ユーロドルも、1ユーロ=1.3ドル近くに上昇後、1.28台ドル中盤にまで下落。ニューヨークダウは1万5542ドルの史上最高値を付けた後に、急落した。さらに米10年債利回りは2%台に上昇と、それぞれ勝手に動いている印象がある。市場が材料を十分に織り込めていない印象を受ける。
いずれ1ドル105円~106円試す展開か
株式は早期の引き締め懸念に敏感に反応。一方、為替と債券は、雇用市場の改善が継続すれば、今後数回のFOMCの会合で資産購入を縮小する可能性という言葉に反応してドル買い、債券売りとなった。おそらく、バーナンキFRB議長が長期の金融緩和の副作用などに振れたことで、出口戦略の方向に数センチは近づいたと感じとったのではないだろうか。たとえそれが今すぐではないにしろ、最初の一歩になった可能性がある。
ドル円は、節目の100円を超えた後は、押し目らしい押し目もなく、103円台中盤に乗せてきた。102~103円台はオプションの影響もあり、1週間ほどレンジでもみ合ったが、再びドルの上昇が始まった感がある。やはり目先のターゲットである105円~106円を試しに行きたいのだろう。
105円50銭付近は、2008年9月のリーマンショック前の高値124円10銭付近から、ドルの最安値の75円32銭付近の、ほぼ61.8%戻し水準(黄金分割比率)になる。ちなみに半値戻しが100円付近だ。
このような節目は、やはり相場の転換点になりやすいので、押さえておきたい。また、104円~105円台はオプションもあり節目である。ドル円は、一度はドル高が進み、このレベルを試しに行くだろうが、超えられなければ、押し目(円の買い戻し)があるのではないとみている。
記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
印刷ページの表示はログインが必要です。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
無料会員登録はこちら
ログインはこちら