特報!丸ノ内線の新車両は2018年3月に登場 黄色い銀座線に続き「赤い電車」が復活か

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丸ノ内線の開業は1954年で、東京では銀座線に次ぐ歴史を誇る。赤に白帯と「サインウェーブ」と呼ばれる銀色の波模様を重ねた車体デザインは丸ノ内線の代名詞となり、その後導入された「02系」にもその雰囲気が採用されている。

アルゼンチンのブエノスアイレスで活躍していた500形

銀座線の新型車両1000系は、戦前から走っていた銀座線「1000形」を想起させる黄色いデザインが大人気となっている。丸ノ内線の新型車両のデザインも同社で検討が重ねられている。かつてのカラーを復活させて人気を博した銀座線車両の成功体験をベースに、丸ノ内線の新型車両も赤や白や波模様を再現させるものになるかもしれない。

丸ノ内線の赤い車両は世界でも人気だ。02系の登場により引退した旧型車両「500形」は1957年から製造が開始され、1996年からアルゼンチンの首都・ブエノスアイレスの地下鉄で運転を続けてきた。「もしそちらで役目を終えたら、ぜひ買い戻したい」。東京メトロ側が懇願し、今年7月下旬、4両が日本に里帰りすることになった。

単体ではなく複数の車両を持ってきた理由は、動かない状態で展示保存するのではなく、実際に動かして社員研修やイベントで活用するため。3両編成での運行を想定しており、1両は予備車となる。現在は中野車両基地内で補修に向けた調査中。その結果を踏まえて、走行できるように補修が行なわれる。

なるか、3世代そろい踏み

1927年12月30日、浅草―上野間で日本初の地下鉄運行が開始された。つまり来年は「地下鉄90周年」ということになる。おそらく全国の地下鉄事業者がさまざまなイベントを行なうはずだ。アルゼンチンから里帰りした500形が再び日本で走るようになれば、東京メトロのイベントの目玉になることは間違いない。

丸ノ内線の新型車両も2017年中に登場できれば地下鉄90周年に花を添えることができるが、製造スケジュールなどの関係から前倒しは難しいようだ。もっとも、「地下鉄90周年といっても期間には幅があります」(東京メトロ広報)。2017年12月30日に90周年を迎えることから、90周年を祝う期間が2018年3月まで続けば、丸ノ内線の新型車両も滑り込みセーフとなるかもしれない。

アルゼンチンからの里帰り列車は営業線での運転は想定されていないが、ATC(自動列車制御装置)の搭載など、安全性を最新車両と同等レベルまで高めれば営業線での運転も可能となる。結構なコストがかかることになるが、そもそもアルゼンチンで不要になった列車を買い戻して日本で復活させるのであれば、もう一歩踏み込んで営業運転させても不思議ではない。同じイベント走行であっても、青空の下で車両基地内を走るよりも、地下の営業区間を走る姿を誰もが見たいはずだ。

何より丸ノ内線の新型車両、現在の02系、そして里帰りした500形の3世代がズラリと並ぶ光景は壮観に違いない。

大坂 直樹 東洋経済 記者

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おおさか なおき / Naoki Osaka

1963年函館生まれ埼玉育ち。早稲田大学政治経済学部政治学科卒。生命保険会社の国際部やブリュッセル駐在の後、2000年東洋経済新報社入社。週刊東洋経済副編集長、会社四季報副編集長を経て東洋経済オンライン「鉄道最前線」を立ち上げる。製造業から小売業まで幅広い取材経験を基に現在は鉄道業界の記事を積極的に執筆。JR全線完乗。日本証券アナリスト協会検定会員。国際公認投資アナリスト。東京五輪・パラにボランティア参加。プレスチームの一員として国内外の報道対応に奔走したのは貴重な経験。

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