実燃費はカタログの4割落ち、エコカーの実状 自工会がパンフレット作成でクレームに対応

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今回、カタログ燃費に疑問を投げ掛けるようなパンフレットを、当の業界団体が作ったのは、低燃費車の販売拡大にともなって、ユーザーからのクレームも増えているためだ。

「カタログ」低燃費競争の加速で乖離を無視できず

自動車の使い方は千差万別であり、カタログ値と実燃費を一致させることは不可能だが、現実とあまりにも乖離が目立てば燃費表示の意味をなさない。そうした批判は常にあり、それゆえ、10.15モードをJC08モードに改良したばかりだが、「カタログ」低燃費競争の加速で早くも乖離は無視できないものになった。

もっとも、業界団体としては、低燃費車ほど実燃費との乖離が大きいことなど、今回の内容を積極的に販売現場で告知するつもりはないという。今回作成したパンフレットは、販売店など関係カ所に紙で5万部を配布するほかは、ホームページからのダウンロード(http://www.jama.or.jp/user/jitsunenpi/)で対応するのみ。

今の日本の自動車市場では、「低燃費」はマーケティング上の最大の武器。クラス低燃費を争って0.1キロメートル単位の燃費改善が行われているところだ。乖離批判には対応せねばならないが、営業上、声高には言えない――今回の対応はそんな業界事情も反映している。

丸山 尚文 東洋経済 記者

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まるやま たかふみ / Takafumi Maruyama

個人向け株式投資雑誌『会社四季報プロ500』編集長。『週刊東洋経済』編集部、「東洋経済オンライン」編集長、通信、自動車業界担当などを経て現職

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