10月に株式投資をすると意外に儲かる理由 円高、円高と言っていると相場は逆へ?
ここで注目されるのが、現時点の企業の業況判断を反映する、大企業製造業DIと大企業非製造業DIです。DIと日経平均株価のトレンドはおおむね連動しており、市場予想に対する着地点は相場の方向性を決めるカギとなります。
今回の9月調査分に関しては、大企業製造業DIはプラス6と6月短観から横ばい。大企業非製造業DI は1ポイント悪化しました。先行きをどうみているかといった先行きDIなども公表されます。大企業製造業の先行きDIはプラス6(6月はプラス6)、大企業非製造業の先行きDIはプラス16(6月はプラス17)とやや悪化しました。お察しの通り、サプライズでも何でもない結果に市場は無反応でした。
企業想定より円高でも、株価が下落しない理由
問題は先ほどの業績動向にも絡んでくるのですが、企業が想定する為替レートです。ドル円の想定レートは1ドル=107.92円と、依然として実勢レートよりも円安水準で計画されています。それでも想定為替レートが円高方向に修正されたことで、収益計画も前回から下方修正されましたが、普通に考えても業績の一段の下方修正余地は残るかたちになりました。
しかし、株価はネガティブな反応は示しませんでした。ドル円の急速な円安反転を見込んでいるのでしょうか。確かに、ドル円は5月末あたりから上値を切り下げ、下値は6月下旬頃から1ドル=100円レベルで下げ渋りをみせています。チャート分析では「三角もち合い(下降三角形)」になっているわけですが、見た目でいくと明らかに三角もち合い下放れの円高を見込むことができそうなパターンです。
が、少し待ってください。筆者にいわせると、それは「逆の解釈が必要なのかもしれない」と思っています。市場は大勢が思っている方向(=円高)には大きく動きません。大勢が思っている方向とは逆に動く、つまりこのケースでは円安に、しっぺ返しのように大きく動くことも多いのです。仮に本当にそうなった場合、1ドル=105円程度までは戻りは早いと思います。
日経平均株価は 25日移動平均線(1万6737円、10月4日現在)と75日移動平均線(1万6380円、同)の間でモミ合いが続いています。しかし、TOPIX(東証株価指数)は25日移動平均線(1332.59ポイント、同)を上回っており、日経平均株価に比べ9月5日高値(英国のEU離脱が決定してから一番高い水準)に対して高位置をキープしています。相場全体が上向けば、相対的にはTOPIXが先行して9月5日高値(1357.41ポイント)をクリアする展開が予想されますが、日経平均株価も後追いして9月5日高値(1万7156円)を超えられるかが、相場全体の上昇持続力のカギとなります。
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